李承憲氏が語る「呼吸のリズム」とは

世界的な脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、呼吸のリズムが、人類の平和や健康のカギを握るといいます。

<<李承憲氏著『息する平和学』(翻訳)から抜粋・要約>>

1分くらい息を止めると、胸が苦しくなり、頭痛がしてきます。その後、止めていた息を吐き出すと、胸がスーッとして、頭もスッキリします。

ふだん、人は呼吸を当たり前のことと考え、呼吸の意味を深く考えようとしません。しかし、呼吸は、「生命とは何か」を気づかせてくれる力を持っています。

呼吸は、意識的にコントロールする必要がありません。放っておいても勝手にできます。もし呼吸をずっと意識しなければならないなら、眠ることもできなくなります。

「呼気と吸気」がリズミカルに繰り返される呼吸は、生命の法則であり、それ自体が完璧な循環です。私たちが意識してもしなくても、呼吸はリズムに忠実に従い、今この瞬間、私たちを生かせています。

こうした生命のリズムを「律呂(ユルリョ)」と呼びます。律呂は音階や音律をさす音楽用語として使われますが、もともとは、「宇宙の調和の根源」を意味します。律呂は、光と音と波長によって表されるエネルギーであり、天地気運です。

体中に起こるあらゆる生命活動は、律呂のリズムによって行われています。そして、ひとりの人生も、一国の歴史も、大きく見ればリズムによって動きます。リズムがどれだけ調和良く保たれるかによって、健康か否かが決まるのです。

国家、そして人類全体の平和も、呼吸のリズムがカギを握ります。個々人のレベルで呼吸の法則が守られると、心身ともに健康になります。そして、社会的なレベルで法則が守られるなら、社会全体が平和になります。