「11」の字に歩けば、精神もまっすぐになる☆李承憲氏の健康ウォーキング

あなたは今どんな姿勢を取っていますか?姿勢は見た目の美しさだけでなく、健康にも深く関係しています。一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人体のあらゆる病気が悪い姿勢に起因すると言っても過言ではないといいます。誤った姿勢を続けていると、背中などの骨がゆがんでしまい、骨粗しょう症や冷え、肥満、便秘などを招きます。習慣になってしまった悪い姿勢を正すのにぴったりなのが、李承憲氏の提唱する健康ウォーキングです。

骨格のゆがみの中でも、とりわけ問題なのは、脚と胴体をつなぐ股関節(こかんせつ)のゆがみです。股関節がゆがんだ状態で歩き続けると、骨盤が傾きます。その結果、両足の長さが左右で差が出てきて、体全体に偏りができます。歩くときも、両足の角度が異なるようになり、靴底のすり減り方も大きく違ってきます。

李承憲氏が提唱するウォーキングは、「ジャンセンウォーキング」と呼ばれ、数字の「11」のように両足を平行に並べてまっすぐに歩く歩行法です。ゆがんだ骨盤や股関節を正し、健康を守ることができます。

ジャンセンウォーキングに慣れてくると、意識的に力を入れなくても、骨盤の筋肉が自然に丈夫になってきます。姿勢がまっすぐに伸び、エネルギーが全身にバランスよく配分され、首、腰、足、さらにすべての臓器が楽になります。李承憲氏によると、体がまっすぐ伸びれば、精神もまっすぐになるといいます。周りに振り回されないで、自らの力で全体を把握する感覚が生まれていきます。

一指 李承憲著『ジャンセンウォーキング』より

李承憲氏が提唱する健康ウォーキングで、真我発見

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、「体と遊ぶ」ことの大切さを説いています。「体と遊ぶ」とは、自分自身の体を感じて、脳を気持ちよくさせることです。その方法として、李承憲氏が推奨するのが、ジャンセンウォーキング(長寿歩行)です。

ジャンセンウォーキングは、李承憲氏の開発したオリジナル・ウォーキング。一言でいえば、「体を感じながら」行う歩行です。足の裏の真ん中あたりにある湧泉(ゆうせん)というツボを意識しながら歩くことで、脳を活性化させていきます。足の指から伝わってくる温かい感覚を味わいながら体の感覚を目覚めさせ、意欲を引き出していきます。

李承憲氏によると、ジャンセンウォーキングは子供の教育にもたいへん効果的です。最近の子供たちは、テレビゲームや映像などから常に強い刺激を受けているため、自分自身の体を感じる機能が衰えがちです。

ジャンセンウォーキングは、そんな子供たちに対して、「自分の体に赤裸々に立ち向かう」ことを教えてくれます。ウォーキングによって体と脳が刺激を受けたとき、隠れていた「真我」(ほんとうの自分)が姿をあらわします。真我は決して本や知識で身につけられるものではありません。体と心、そして脳の感覚が目覚めることで、はじめて達成できるものだと、李承憲氏は言います。ぜひ家族みんなで、ジャンセンウォーキングを楽しんでください。

一指 李承憲著『ジャンセンウォーキング』より

李承憲氏の長寿ウォーキングで、「健康寿命」をのばす

日本人の「平均寿命」は世界一になっています。しかし、最近は、単に寿命を延ばすだけでなく、何歳まで健康に暮らせるかという「健康寿命」が重視されています。80代、90代になっても健康に生きようとすると、目標をしっかり立てて努力する必要があります。世界的な脳教育、李承憲氏は、長寿に役立つウォーキングの実践を呼びかけています。

李承憲氏は、健康寿命をのばすには、「健康な体質」をつくることが大切だといいます。健康な体質とは、一言でいえば、「エネルギーと血液の循環がよい」状態です。李承憲氏はこれを「長生(ジャンセン)体質」と呼んでいます。

長生体質をつくるのに欠かせないのが、「身体年齢」「精神年齢」「エネルギー年齢」を若くすることです。このうち、身体年齢は、筋力や柔軟性などを指します。これを若返らせるには、ふだんの適度な運動が大事です。使われないで放置された機械がさびるのと同じように、体も使わないと老朽化します。

日々の生活の中で、健康を意識して歩くだけでも、十分な運動になります。長寿のためのエクササイズとして李承憲氏が提唱しているのが、ジャンセンウォーキング(長寿歩行)です。このウォーキングは、足の裏の真ん中より少し上のところにあるツボ(湧泉)に重心を乗せて歩くというものです。足のツボが刺激されることで、脳が目覚めます。

脳は「私」という存在の主体となるもので、心と体をコントロールしています。脳の働きをよくすれば、幸せで豊かな人生を送ることができます。脳活性を促すジャンセンウォーキングは、身体年齢だけでなく、精神年齢やエネルギー年齢までをも若返らせ、長寿へとつなげます。

仕事に行き詰ったときは、とにかく歩きましょう

仕事をしたり、考え事をしていたりして、
行き詰まってしまった経験は、どなたにもあるのではないでしょうか。
会社で仕事をしているときなどは、机に向ったまま
だらだらと時間をつぶしてしまう……という経験がある方は多いと思います。
しかし、いい解決方法が思い浮かばないときは、
それ以上ずっと悩み続けていても先へ進めません。
そのかわりに外へ出て歩くことがおすすめです。
歩くことは、身体にとってよい効果があるだけではありません。
脳にとってもよい瞑想法となり、発想する能力を回復させてくれます。

李承憲氏も、ウォーキングについてこう語っています。

「上手くやろうとすればするほど何だか上手くいかない場合があります。
こういうときは、ずっと座っていないで、湧泉と足の指に力を入れて、
ジャンセンウォーキングでゆっくり歩いてみるとよいです」

ウォーキングは、何かをやっていて行き詰まったときにやってみると、
よい結果につながります。
李承憲氏の言葉を参考に、歩く瞑想法であるウォーキングを実践してみましょう。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著  『ジャンセンウォーキング』 講談社、2008年発行、
91ページより引用