アフリカに多く生息するインパラは、生きたままライオンやチーターなどに食べられてしまう動物として知られています。
ライオンに追いかけられている時のインパラは、ライオンが最高速度を保てる約3分間、必死で逃げます。このとき、インパラの自律神経は、極限のストレス状態によって交感神経が猛烈に高まっているとされます。そして、ライオンから逃れて無事生き残ることができると、ストレス状態は終了し、「リラックス」の副交感神経が優位に転じます。
このように、野生動物は、自然界などの物理的な脅威や危機に直面すると、ストレスを感じ、交感神経が優位になります。危機が去ると、副交感神経が優位になります。これが、自律神経の本来の姿であり、この自律神経のバランスが、健全な生命状態を保つうえでも重要になります。
では、人間はどうでしょう?
人間も野生動物と同じように、自然界などの物理的な脅威を感じることもあります。
でも、現代人のストレスの多くは、物理的な脅威とは直接関係がありません。
複雑な人間関係や仕事のプレッシャー、さらに、過去の人生における失敗の記憶や過度の恐怖心などが、ストレスの最大の原因です。
これらのストレス要因は、目に見えないものであるため、なかなかぬぐいさることができません。だから、現代人は日々神経の高ぶりが休まらず、自律神経のバランスを崩しやすくなっています。自律神経が乱れると、自然治癒力が低下します。
内側の感情や思考に振り回されることなく、緊急対応モード(交感神経)とヒーリングモード(副交感神経)のバランスを整えることができれば、本来持っている自然治癒力が回復するはず。ソーラーボディメソッドでは、「体温」「呼吸」「心」の3つを活用するトレーニング法で、自律神経の乱れを解消していきます。
古代経典「天符経」の中に「本心本太陽昴明」(本来の心は太陽のように明るい)という一節があります。つまり、私たちはだれでも、太陽のように輝く存在であり、ストレスに振り回されて生きるのは本来の姿ではないということ。自ら輝く存在になり、自分だけでなく周囲の人の自然治癒力も高められる人になることが、ソーラーボディメソッドの目的です。