人間関係によるストレスで怒りや悲しみにまみれている時、重い病気で苦痛を感じている時……人は辛い時ほど、自身の考えや感情に振り回され、自ら苦しみに身を置くことになることがあります。
そんな時は、自分の中に起こっている感情を無視したり否定したりするのではなく、冷静に心を観察してみることが大切だと、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は言います。
李承憲氏の言う「観察」とは、「考えや感情に振り回されたり、わざと無視したり否定したりするのではなく、ありのままを眺める」(著書『ソーラーボディ』)ことです。自分の心を眺めることで、「考えや感情はまるで太陽の光で霧が晴れるように蒸発してしまう」(同)のです。
『ソーラーボディ』では、感情をコントロールするための具体的な方法が紹介されています。たとえば、怒りの感情を抱いているときは、次のように言葉に出してみるといいそうです。
「私は今、あの人を嫌な奴だという考えを持っている」
「私は今、怒りの感情を持っている」
こう繰り返すことで、感情は観察の対象物となり、手放すことができます。
そして、次にこう言います。
「私の身体は私ではなく私のものだ」
「私の感情は私ではなく私のものだ」
こう口にすることで、「自分の身体と心から起こる現象を自分自身と同一視せず、体や心に起こる現象を観察者の立場で眺めることができるようになる」といいます。
このように、私たちには、感情に揺られながらも「静かで確固たる中心に戻し、バランスと調和を取り戻そうとする力」が備わっています。それを李承憲氏は宇宙の大きな生命力、「ソーラーエネルギー」と呼んでいます。