李承憲氏が語る「ソーラーエネルギー」とは~感情を手放し、「中心」へと戻す力

人間関係によるストレスで怒りや悲しみにまみれている時、重い病気で苦痛を感じている時……人は辛い時ほど、自身の考えや感情に振り回され、自ら苦しみに身を置くことになることがあります。

そんな時は、自分の中に起こっている感情を無視したり否定したりするのではなく、冷静に心を観察してみることが大切だと、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は言います。

李承憲氏の言う「観察」とは、「考えや感情に振り回されたり、わざと無視したり否定したりするのではなく、ありのままを眺める」(著書『ソーラーボディ』)ことです。自分の心を眺めることで、「考えや感情はまるで太陽の光で霧が晴れるように蒸発してしまう」(同)のです。

『ソーラーボディ』では、感情をコントロールするための具体的な方法が紹介されています。たとえば、怒りの感情を抱いているときは、次のように言葉に出してみるといいそうです。

「私は今、あの人を嫌な奴だという考えを持っている」
「私は今、怒りの感情を持っている」

こう繰り返すことで、感情は観察の対象物となり、手放すことができます。
そして、次にこう言います。

「私の身体は私ではなく私のものだ」
「私の感情は私ではなく私のものだ」

こう口にすることで、「自分の身体と心から起こる現象を自分自身と同一視せず、体や心に起こる現象を観察者の立場で眺めることができるようになる」といいます。

このように、私たちには、感情に揺られながらも「静かで確固たる中心に戻し、バランスと調和を取り戻そうとする力」が備わっています。それを李承憲氏は宇宙の大きな生命力、「ソーラーエネルギー」と呼んでいます。

今こそ、脳を宝箱にしよう

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は「脳をこれ以上ブラックボックスに放っておかずに、トレジャーボックス(宝箱)にすべきだ」と言います。

脳のブラックボックス化とは、人間が脳をどう使えばいいのか分からず、平和や幸福が実現できない状態です。一方、脳のトレジャーボックス化とは、文字通り、脳を「宝箱」として活用できることです。

李承憲氏は著書『脳がわかると幸せが見える』でこう語っています。
「宝箱の中にはあなたが探していた価値あるものがきっと入っているはずです。なぜなら、実はそれがあなたを探しだすように信号を送り続けていたからです。幸せを願うなら、幸せを築く方法を脳の中の宝箱で発見できます」

つまり、脳という宝箱は、あなたに開けてもらえる日を心待ちにしており、あなたがその気になれば、いつでも「宝」を差し出すことができるのです。

こうした脳の存在に気づき、活用するのが脳教育です。脳教育のプログラムによって、自分の考え方は生まれつきの性格からくるものだから仕方がないという考え方が変わり、成長できるのだと自信を回復できます。

どうしようもないと思うのも自分だし、成長できると信じるのも自分です。李承憲氏によれば、いずれも脳の一つの側面です。だからこそ、脳の使い方を知ることが大切なのです。脳の活用にこそ、個々人の人生がかかっており、ひいては私たち皆の未来がかかっています。

すべての脳は偉大である

私たちの性格や人格はどのようにして決まるのでしょうか。
脳教育者の一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、「性格も人格も、日常的な習慣の総合」であると述べています。
人間は、選択できる生き物であり、それを成し遂げられる偉大な脳を、生まれつき持っています。
そして、自分の脳の力を、信じるか信じないかによって、機能が発揮されるかどうかが決まると、李承憲氏は言うのです。

もしあなたが自分を変えたいと望んでいるなら、まず習慣を思い返してみましょう。

好きなことはなんですか。
嫌なことはなんですか。
どのように人と関わりますか。
どんな時に嬉しいと感じますか。
どんな状況で怒りますか。

1日24時間の、自分の習慣をひとつひとつ思い返してみると、ほとんどパターン化されていることに気付くと思います。

習慣は、連続する脳の情報処理方法とも言い変えることができます。
脳には、1000億個の神経細胞からなるシナプス(連結回路)によって、巨大な神経ネットワークが築かれています。
このネットワーク上で、脳からの命令がいつも同じルートを通ることによって起こるのが「習慣」と呼ばれるものです。
しかし、ルートを変更するよう脳に選択させれば、習慣は変えることができます。
これは脳が持つ素晴らしい機能のひとつです。
つまり、古いルートをそのままに、新たなルートを構築することができるということなのです。

このように人間は、古い習慣を残しつつ、新しい行動を選択することもできます。
脳が持つ機能を信じること―――それは、人生をより豊かなものにするための、最大の手掛かりだといえます。

平和を創造する脳へ

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人類の平和を成し遂げるのは、私たちの「脳」だと言います。

戦争や民族紛争、テロに脅かされる今の世界をつくったのは、ほかならぬ人間の脳です。李承憲氏は、まず、その点を認識したうえで、私たちの脳を変えることで、平和を創造できると指摘します。

李承憲氏によれば、人類が平和を作り出せないのは、「まだ地球に人類精神というものが定立されていないから」です。人類精神とは、すべての人類が同意し、人類を統合する普遍妥当な価値観であり、民族や国家、宗教、思想を越えるものです。この人類精神を生み出せるのが、脳なのです。

李承憲氏の脳教育は、まさに「人類精神」を創造するために生まれました。李承憲氏が脳教育を始めたころは、そのプログラムの効果について懐疑的な声も聞かれましたが、実際に脳教育を受けた子供たちが成長し、さまざまな才能を発揮することで、世界的に認知されるようになりました。

李承憲氏は「限界を超える体験を何度も積んでいくと、脳を信じるようになる。その信じる心が集まって、脳をうまく活用する習慣を形成するようになる。その結果、無限の創造力が発揮される」と言います。

まずは脳の力を信じることから、すべてが始まります。李承憲氏は「脳を目覚めさせる方法は常にある。抵抗さえなくせば方法が見つけられる。多くの子供たちがそれを教えてくれた。方法を作り出すのが脳に対する尊重であり、方法がないと言うのは脳への冒涜だ」と話しています。

脳教育で脳にライトをつける

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、脳教育の大きな目的の一つは、「脳にライトをつけることだ」と言います。

李承憲氏は以前、落馬して大けがをしたことがありました。事故の直後、医者からは「1週間くらいは動いてはいけない」と言われたものの、じっとしていることが苦手な李氏は、寝た状態で胴体を左右に動かして脊椎に微細な振動を与えました。すると、ある瞬間、骨がパキパキと正しい位置に戻るような音がし、事故当日に少し歩くことができたといいます。さらに、脳に「どうすれば動けるのか」と尋ね続けたところ、体が蛇のようにスッと動き、痛みを感じずに体を起こして座ることができたそうです。

李承憲氏はこの経験から、脳には「知識脳」と「体脳」があることを理解したといいます。このうち体脳とは、体についての情報を持っているところです。落馬の大けがからの急回復した体験を通じて、「あらゆる治療は、体脳が働き、体の持つ自然治癒システムが働いてこそ初めて効果が出る。治療とは、体脳の情報処理を助ける行為に過ぎない」(李承憲氏)と悟ったのです。

ネズミは地震が起こる前に逃げるという本能を持っています。また、生まれてから猫を見たこともなくても、ネズミは猫の毛の臭いを嗅ぐだけでも怖がります。人にもそのような能力があります。私たちの「体脳」には、そのような原始情報が眠っているのです。

脳教育とは、体脳を活かす教育です。脳教育で体情報とつながる感覚を育てることで、知識情報に閉じ込められず、体内の原始情報、そして、潜在能力を活用できるようになります。それはまさに、闇の中にある情報にライトを付けるようなものです。

変わるための選択をしたら、あとは、脳に頼ろう

「変わりたいけど、変われない」というジレンマを抱えていませんか?これまでの人生を抜本的に変えるような変化を自分に起こそうとするとき、やはり、大きなためらいがつきまとうものです。こんなときの対処法について、脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏はキッパリ言います。「あなたの魂に、あなたの胸に尋ねてみてください」

人生を変えようとする決断も、結局は、一つの選択に過ぎません。選択にあたってすべき問いかけは、とてもシンプルです。「自分が本当に願うのは何なのか?」「自分の胸を希望と喜びで溢れさせるものは何なのか?」ということです。

自分の胸に尋ねたうえで、何を選択するかを決断したら、次はその方法について脳に尋ねましょう。李承憲氏によれば、「私たちの脳は、魂の旅のためにあなたに与えられた基本装備」です。出張するときに持っていくノートパソコンのようなもので、もともと性能はとても良いのですが、あれやこれやと情報を詰め込みすぎてまともに動かなくなることがあります。

そんなときは、ウイルスを除去し、停止していたもとのプログラムを復活させ、不要な情報を捨て、使えるものは使いやすく整理しましょう。そうすれば、魂の願いを実現すために、本来の能力を発揮してくれます。

魂の旅がうまく運ぶかどうかは、自分の脳をどれほどうまく活用するのかにかかっています。脳をよく手入れしてうまく活用すれば、自分が選択した道が険しくとも、着実に、そしてより楽に前に進めることができるはずです。

幸せとは、「選択」の結果である

「あなたはどんな人生を望んでいますか」という質問に誰もが「幸せな人生を送りたい」と答えることでしょう。しかし、脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、「幸せであるためにどうするかについては、考えない人が意外と多い」と言います。

幸せになるのに必要な条件を決め、それらが満たされると幸せになれると信じて生きる。そして、条件が満たされない状態が続くと、不幸だと感じる――。そんなパターンに陥りがちな現代人に対して、李承憲氏はこう問いかけます。「ただ幸せならいけませんか? 理由もなく笑えるように、幸せの条件に関係なく幸せではいられないのでしょうか?」

この問いを脳に尋ねれば「もちろん可能だ」と答えることでしょう。幸せとは脳が感じることなので、脳が幸せだと感じさえすれば、有無を言わさず幸せだからです。脳が幸せだと感じるためには、「選択」する習慣をつけることが大事だと、李承憲氏は言います。

幸せは、幸せを選択する習慣を通じて獲得できます。善と悪、肯定と否定、幸と不幸は、常に共存しています。どちらも絶対的ではありません。選択であるだけです。「今は大変だけど、1年後にはうまくいく。その頃には幸せだろう。だったら、幸せを前借りして今から幸せになるよ」という考え方を選択できれば、脳はその時点で幸せを感じられます。

李承憲氏は、「健康、幸せ、平和な人生にするためのすべての問いと答えが脳にある」と指摘します。選択をすれば、その答えを脳からうまく引き出し、正しく行動することができるのです。

「願うもの」を見つけたとき、人生が変わる

信念や意志の強さは、人によって異なります。信念や意志がどれだけ強いのかによって、人生は大きく変わると、脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は言います。李承憲氏によると、信念や意志の差を生むのは、「願うもの」があるのか、ないのかの差です。

脳教育では、脳に「願うもの」という情報を入れると、脳が願いを実現させるために信念、意志、情熱のシステムを目覚めさせると考えられています。とはいえ、「願うもの」は、何でもいいというわけではありません。もし、宝くじを買って当選を願うというメッセージを脳に与えたなら、脳はもどかしいけれど傍観しているしかありません。宝くじの当選のために脳ができることがないからです。これに対して、健康を願うというメッセージを入れると、脳は健康的な食生活や適度な運動を習慣にするべく、意志や信念を目覚めさせます。

自分が本当に願うものが何なのか、何を願うべきなのかわからない、という人もいるでしょう。しかし、李承憲氏は「自分の願いが何なのか分からない人もそれを見出そうという考えがあれば、いつかは見つけられる」と述べています。願うものが自分の内面にすでにあるはずです。それがどんな体験であっても教育や出会いなどを通して現れるようになるのです。

願うものを見つけた時、人は人生の意味を見出したと感じます。そして、人生に変化が起こり始めます。夢をかなえるために信念、意志、情熱を発揮する人生が始まるのです。これこそ、人生の「発見」です。

情報の「選別」が人生の価値を決める

インターネットからおびただしい量の情報があふれる現代。仕事の速度と質が高まる一方で、情報過多による混乱やストレスも生じています。脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、こんな時代には、情報をどれだけ集めるかよりも、情報をどう管理するかのほうが、圧倒的に重要です。情報をどう選別し、自分の脳にどんな情報を与え、どう活用するか。それが、人生の価値を決めるといっても過言ではないといいます。

私たちの脳は、どんな内容であれ、入って来た情報にはとりあえず反応します。だから、無作為に情報が流れ込んでいるのか、それとも、自分が主体的に情報を選別しているのか、ということが脳に大きな影響を与えます。

自分の脳にアンテナを立てることで、おのずから「良い情報」が選別されます。脳のアンテナとしての役割を果たすのは、夢や目標、希望などです。また、情報を肯定的にとらえるか、否定的にとらえるかによっても、脳に入ってくる情報の質が大きく変わります。

たとえば、困難な状況に直面したとき「私はいつも運がない」と否定的に考える人は、その情報の奴隷になって、現状を打開するのが難しくなります。一方で、「これはいい経験になる」と前向きにとらえる人は、脳を上手に活用し、成長することができます。

脳にどんな情報を与えるのか、そして、その情報をどう処理するのか。この2つが情報管理の重要なポイントです。情報管理がうまくいけば、目標や夢は実現できるはずです。