「水昇火降」で自分を変える

変化を起こしたいのに、起こせずに悩んでいませんか?自分を変えたいと思っても、その方法が分からずに立ち止まっている人は多いようです。脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、自分を変える重要なポイントとして、「体と脳の疎通」を挙げています。

李承憲氏によると、変化を起こすには「意識」を変える必要があります。それはつまり、「脳」を変えることです。そして、脳の変化は、体を使うことではじめて実現するといいます。

脳は、必ず体を通じて情報を得ます。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの感覚器官を通して情報が脳に入ると、情報に脳が反応し、これによって脳に変化が起こります。脳が変化すれば、これによって体が再び反応します。この繰り返しによって、「意識」がつくられていきます。この体と脳のやり取りがスムーズに行われることで、意識が抜本的に変化しやすくなるのです。

体と脳が円滑に疎通する状態を「水昇火降」(すいしょうかこう)といいます。水昇火降とは、体の腎臓にある水のエネルギーが上にあがり、心臓にある火のエネルギーが下におりる状態です。水のエネルギーが上にあがると、頭がすっきりして澄んだ意識になり、火のエネルギーが下におりてくると、下腹の丹田を温かくして、全身の循環が良くなります。

水昇火降により、体内で火と水の調和が取れると、気力が充実し、体の理想的なコンディションになります。この状態が脳の活性化を引き起こし、ダイナミックな変化を生みやすくします。

人生の目標への集中こそが、真の脳活性をもたらす

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、私たちの脳は集中することでパワーアップし、脳全体の統合がもたらされます。

最近、注意力や集中力がない子供たちが増え、ADHD(注意欠如・多動性障害)という障害に診断される子も多いです。乳児期からテレビやビデオのようなメディアに無防備に長時間露出していることなどが原因だと指摘されています。

李承憲氏は、「集中」は脳の活動の中で最も重要な基盤だと言います。集中によって脳機能が発達し、集中するほどに脳機能は強化されます。運動することで体に筋肉ができるように、集中によって脳に回路が形成されるのです。

集中とは、脳全体の機能が一つの情報処理に集約された状態です。集中というと、身じろぎもせず机に向かっていることだと考えますが、このような狭い視野の集中は、小さな集中です。このような「緊張した集中」は長く続きません。

李承憲氏によると、ほんとうの集中とは、テーマのある集中です。一つのテーマをめぐって脳全体が目覚め、視野が広く開けた「リラックスした集中」こそが、理想的だといいます。

といっても、テーマは何でもいいわけではありません。たとえば、ギャンブルに過度に集中すると、財産を失い、家庭崩壊へとつながります。アルコールや薬物への執着も同様です。これらは集中ではなく、対象の奴隷になっている状態です。

集中の対象として有益なのは、人生の目標です。人生の目標に集中したとき、脳は最も活発に働きます。自分の意志の力を最も強く、最も持続的に引き出すものが、人生の目標だからです。

自分を褒めて、脳の潜在力を引き出す

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、自分を褒めることで、脳の潜在能力が引き出せると言います。

みなさんは「人間は脳の10%も使っていない」「天才科学者のアインシュタインも15%ほどしか脳を使っていなかった」といった話を聞いたことがあると思います。

私たちが脳の何%を使っているのかという問題は、19世紀のある心理学者が初めて提起しました。この心理学者は「普通の人は脳の10%を使い、天才は15~20%を使う」と主張しました。以後、10%を6%だと主張する見解が出て、1990年代には1%、最近は0.1%という研究報告もあります。そうかと思えば、「脳はすでに100%使っている。ただ、どう使っているのかわからないだけだ」と主張する科学者もいます。

学者によって差はありますが、脳には計り知れないほどの潜在能力があることについては、意見は一致しています。では、どうすれば、その潜在能力を引き出すことができるのでしょうか?

そのヒントは、脳を肯定的にすることにあると、李承憲氏は言います。李承憲氏によると、脳は肯定の状態をより自然に受け入れるので、否定的な習慣が強く根付いていたとしても努力すれば必ず肯定的に変化します。

「最高の肯定は褒めることです。自分自身を自ら褒めてあげてください」と李承憲氏。学校で、職場で、家で、「よくできた」と言われなかったとしてもへこたれずに、まず自分で自分を褒めるのです。へこたれると脳が萎縮しますが、褒められると脳が活性化します。

また、周りの人に褒め言葉をかけることも大事です。他の人を心から褒めると、その言葉を聞いた人よりも褒めた人の脳の状態が良くなります。

脳に肯定的な情報を持続的に与えると、脳はそれに必ず反応します。だから、脳を褒めて、説得することで、脳はより多くの機能を開発するようになるのです。

「学ばなければ…」という呪縛から自由になろう

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、現代人は「学ぶ」ことに依存しすぎている面があると言います。「学んでいない」というのを口実にして、本当に大事な問題解決を先延ばしにしているのです。李承憲氏は「『学ばなければできない』という思い込みから自由になる時、自分が本当に願うことを選択でき、創造的な人生を送ることができる」と言います。

現代人は、生活を便利にするために学ばなければならないことがたくさんあります。仕事でパソコンを使いこなさないといけないし、銀行や地下鉄を利用するにも、難しい機械の操作を要求されたりします。だから、私たちは学ぶことに慣れており、学んだ通りにしなければ、不安になります。

しかし、本来、生命維持に必要なのは、息をし、水を飲むなど、学ばなくてもできるような単純なことばかりです。生命と直結している心拍、血圧、体温などは、私たちが気にしなくても勝手に動きます。私たちは生きるためにとても多くのことをしているようですが、実は「生」に最も重要なことは、学ばなくても自ずと実行できるのです。

李承憲氏によると、この自然なさまが創造性の源泉です。学ばなければできないという考えから自由になることが創造的な人生の始まりです。学んで得られる知識は、目的を達成するための判断材料として使うべきものであり、目的自体を選択するために必要なものではありません。学ぶことは選択のために必要なものではなく、選択したことを成し遂げるために必要なのです。

李承憲氏が語る「ライフ・パーティクル」~夢の実現のカギとなる粒子

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は三十数年前、脳教育を世に広めるという使命に目覚め、それ以来、トレーニング法の研究・開発を続けてきました。これまでに様々な瞑想法や脳トレを編み出し、脳波振動(ネッパジンドン)などのエクササイズを世界各地に普及させました。

そんな李承憲氏の近年の講演会などでよく紹介しているのが、「ライフ・パーティクル」という考え方です。ライフ・パーティクルとは、宇宙を構成する最も基本的な粒子で、情報と生命を伝達する最小単位の粒子だといいます。

李承憲氏によると、ライフ・パーティクルは限りなく多様な周波数で振動し、多様に集まっては散らばる無数の生命現象をつくり出しています。「可視的な物質世界から不可視的な精神世界に至るまでの全宇宙を埋め尽くしていて、時間と空間に制約されず、どこへでも、いつでも自由に移動できる」(李承憲氏)という特性も持っています。

ライフ・パーティクルは、李承憲氏が瞑想を通じて得た洞察と直観よりもたらされたコンセプトであり、科学的に立証する方法はないものの、「いつの日か、未来科学が同じ発見に到達することを望むとともに、そうなると信じている」と、著書『セドナ・メッセージ』で語っています。

このライフ・パーティクルが集まってつくり上げるのが「ブレインスクリーン」です。ブレインスクリーンは、私たちの精神活動が行なわれる無限の内的空間として活躍する存在です。ブレインスクリーンで描かれたイメージがライフ・パーティクルを通じて脳内に反映されます。ライフ・パーティクルの力を得た脳は、自らの夢や願いを実現するために懸命に働いてくれます。まさに、自己実現のカギを握るのが、ライフ・パーティクルなのです。

「すべての秘密が脳にある」~李承憲氏の脳教育

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、30年前に大きなことを学んだといいます。それまでは、大きなビジョンも大きな夢もなく、同じことを繰り返すだけの日々を過ごしていたのが、「脳」の使い方を知ることで、人生が大きく変わったのです。

このころ、李承憲氏は「私がなぜ生まれたのか」「私がこの世に来た目的が何なのか」という大きな疑問を持ち、考えぬいたあげく、問題は「私」にあることが分かったといいます。「私が一体誰なのかという切な疑問から始まり、私自身を分かるようになった」(李承憲氏)のです。

それ以来、李承憲氏は自らのビジョンの実現に向かって脳を100%集中させました。日々トレーニングを重ね、さらに、その成果を他の人に分かち合うようになります。ある早朝の日、公園で出会った人にブレイン体操を伝えたことがきっかけとなり、その輪がみるみるうちに広がっていきました。これがやがて「脳教育」として世界中へと普及していったのです。

こうした自らの経験から、李承憲氏は「人は志を立て、信念を持てば、ビジョンが生じ、その時、脳は強く反応して動き出す」と言います。「私」の人生のすべてをかけても惜しくない何かが生じるとき、未来は変わってくる。「すべての秘密が脳にある」のです。

李承憲氏によれば、世界平和のカギも脳にあります。国と民族、思想と哲学、宗教もすべて脳に中にあり、世界が平和にならない理由は、人間の脳の中に入っている情報が互いに異なるからです。今日の人類文明を作ったのが脳の創造性であるように、当面の人類の問題を解決する方法も「脳」にあります。

一指 李承憲著『BOS 脳の中の偉大な革命』より

李承憲氏が提唱する健康ウォーキングで、真我発見

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、「体と遊ぶ」ことの大切さを説いています。「体と遊ぶ」とは、自分自身の体を感じて、脳を気持ちよくさせることです。その方法として、李承憲氏が推奨するのが、ジャンセンウォーキング(長寿歩行)です。

ジャンセンウォーキングは、李承憲氏の開発したオリジナル・ウォーキング。一言でいえば、「体を感じながら」行う歩行です。足の裏の真ん中あたりにある湧泉(ゆうせん)というツボを意識しながら歩くことで、脳を活性化させていきます。足の指から伝わってくる温かい感覚を味わいながら体の感覚を目覚めさせ、意欲を引き出していきます。

李承憲氏によると、ジャンセンウォーキングは子供の教育にもたいへん効果的です。最近の子供たちは、テレビゲームや映像などから常に強い刺激を受けているため、自分自身の体を感じる機能が衰えがちです。

ジャンセンウォーキングは、そんな子供たちに対して、「自分の体に赤裸々に立ち向かう」ことを教えてくれます。ウォーキングによって体と脳が刺激を受けたとき、隠れていた「真我」(ほんとうの自分)が姿をあらわします。真我は決して本や知識で身につけられるものではありません。体と心、そして脳の感覚が目覚めることで、はじめて達成できるものだと、李承憲氏は言います。ぜひ家族みんなで、ジャンセンウォーキングを楽しんでください。

一指 李承憲著『ジャンセンウォーキング』より

「脳の目覚めが導く平和」~李承憲氏『息する平和学』より

一指 李承憲(イルチ イスンホン)氏は、幸福と平和のために、脳の活性化、すなわち脳教育の必要性を提唱してきました。脳教育の目的は、「自分が本当に願っていることは何か?」という心の声に純粋な気持ちで耳を傾けられるようになること。そして、思い描いたビジョンを実現し、なりたい自分になることです。

著書『息する平和学』の中で、李承憲氏は次のように語っています。「パワーある脳が集まって健康な社会をつくり、健康な文明をつくる」。同著によると、パワーある脳とは、3つの特徴を備えた脳のことを指します。すなわち、「創造的」「平和的」「生産的」という3拍子がそろった脳です。

◆創造的な脳
創造的な脳とは、明るい未来を思い描く脳です。柔軟な思考と創造の力で、どんな苦難も乗り越え、道を切り開いていきます。現実に屈服することなく、一歩一歩前に進むパワーを生み出します。

◆平和的な脳
平和的な脳とは、人と調和し、人を癒すことができる脳です。周りの人や出来事との調和、さらに、自らを癒すヒーリング能力などが備わった脳は、わたしたちを平和へと導きます。

◆生産的な脳
生産的な脳は、責任感を持ち、現実に対処できる脳です。時間や資源を浪費するのではなく、地に足をつけて行動することによって、夢を叶え、願っていた自分を具現化することができます。

「平和を実現できる力を育てる最もはやい道は、自分の脳を目覚めさせて脳と対話し、脳を活性化することだ」

李承憲氏は私たちにそう語りかけます。脳教育によって脳を覚醒させ、自らの脳の主となる。その先には、平和への道標が示されているのです。

瞑想法でセロトニン増加、気持ちもすっきり

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

瞑想法というと、外部からの情報を遮断して、ひたすら自分の内側だけを見つめる行為と思われがちです。でも、実は瞑想は、むしろ脳に情報や刺激を積極的に与える行為です。

目や耳などの五感を通じて脳が日常的に得ている刺激の中から、肯定的なものを選ぶことで、脳に変化をもたらす。それが瞑想法です。

瞑想をするときは、まず目をとじてみてください。まぶたを閉じた瞬間、現れた闇を宇宙空間とイメージします。その深い闇を眺めながら、鼻の先から出入りする息を感じ取ります。

そうしていると、脳は、無数にある神経細胞(ニューロン)どうしの結び付きを強め始めます。ニューロンが結合すると、脳の情報伝達がスムーズになります。

ある実験では、仲間たちと一緒に暮らしていたネズミと、一匹だけで暮らしていたネズミの脳を比べたら、仲間と一緒にいたネズミのほうが、ニューロンがより多く結合していました。これは、仲間と一緒にいることで脳により多くの刺激を受けているからだと考えられています。

ニューロンの結合とともに、脳の情報伝達に重要なのが、神経伝達物質。脳は数十種類を超える神経伝達物質を分泌しますが、このうち、瞑想すると増えるのがセロトニンです。

セロトニンは私たちを幸せな気分にさせてくれます。セロトニンが多く分泌されると、意欲と活気にあふれます。セロトニンが少ないと、憂うつで、怒りっぽくなります。

瞑想をすると気持ちがすっきりするのは、脳に刺激を与えることで、セロトニンが湧き出るからなのです。

脳活性化の意外な秘訣、それは「愛」です。

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

愛することは、脳活性化にたいへん役立ちます。何かを愛する状態は、ある対象にとても集中している状態です。集中すれば脳回路が活性化し、脳全体の機能が活性化されます。

「くしゃみと恋心は隠せない」と言われます。恋におちると、笑顔があふれて表情が明るくなり、足取りも軽快になります。その変化は、周囲にとって一目瞭然になるときもあります。

恋をしたときの体や表情の変化は、神経伝達物質の作用によるものです。恋をすると、脳からドーパミンという神経伝達物質が吹き出し、脳を喜びで満たします。時間とともにドーパミンの分泌量は減りますが、代わりに安定した満足感を与える別の神経伝達物質が増加します。

人間の愛の対象は、恋人だけではありません。家族、友達、仲間、動物、そして組織に対しても愛情は生まれます。対象が何であれ、愛を抱いていると、脳にエネルギーが供給され、集中力が高まります。その状態が続けば、脳回路の働きが活発になり、脳活性化がどんどん促されます。

何かを愛する状態では、脳は力が発揮され、逆に、何も愛していない状態では脳は力が落ちる。その理由は、愛が脳回路を活発にするからです。脳には愛する状態を好む特性があって、愛する対象を求めているのです。

よく食べてよく寝ているのに、なぜか頭がさえない、なんて感じるときはありませんか?その原因は、愛するという行為から遠ざかっているからかも知れません。脳活性化の秘訣は、「愛」だということを覚えておいて下さい。