~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~
私たちの体の中には、「水」のエネルギーと「火」のエネルギーがあります。体が健康でいるのは、水のエネルギーが上昇して、火のエネルギーが下降しているときです。
人は激しく怒ると、頭に血が昇って、沸騰したやかんのようになります。顔も赤くなって目もかっかと燃えます。
古代中国から伝わる「陰陽五行(いんようごぎょう)」の考え方からいうと、頭に血が昇っているのは「火」のエネルギーが上昇した状態。これは、体にとって好ましくありません。脳の中で血液が停滞してしまい、エネルギーが循環しなくなるからです。
体にとって望ましいのは、その逆。つまり、頭が涼しくなっている状態です。これを、「水昇火降(すいしょうかこう)」といいます。水昇火降では、「火」のエネルギーが体の下に降りて、「水」のエネルギーが脳まで上昇。頭はスッキリして思考力がアップし、体もあたたまって免疫力が高まります。
人間の体内では、水のエネルギーは腎臓から出て、体の背面の督脈(とくみゃく)を通って上昇します。一方、火のエネルギーは心臓から出て、体の前面の任脈(にんみゃく)を通って下ります。
頭がカッカとしているときには、任脈が詰まっています。こんなときは、両手を軽く握って、任脈が流れている胸の真ん中あたりをトントンとたたくと、詰まりが解消され、気分がすっきりします。胸をたたくときに、口から「は~」と息を吹きかけるように吐き出すと、さらに効果的です。