ほんとうの願いが、悟りへと導く

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

よく「悟り」について、質問を受けます。

「悟りとは何ですか?」

「どうすれば悟ることができますか?」

「あなたはすでに悟りを開いたのですか?」

このような質問を受けとき、私は逆にその人に尋ねます。

「何のために悟りたいのですか?」と。

悟りに関して対話するには、その目的がはっきりしている必要があります。物欲や金銭欲、支配欲、名誉欲を満たすためなら、悟り開いても役に立たないからです。

悟りとは、すべての存在を自覚することであり、悟った人とは、世の中の健康や幸福、平和のためにすべての力を捧げる人です。悟ったからといって、私利私欲が満たされるわけではないのです。世の中の健康や幸福、平和を願う気持ちは、だれの脳にも備わっています。だから、本来であれば、悟りは、誰でも開くことができます。しかし、固定観念や否定的な情報が邪魔をして、こうした「真の願望」を引き出すことができないでいます。

脳に眠っている願望を引き出すにはどうすればいいのでしょうか?まずは脳に尋ねてみて下さい。「私は誰なのか?」と。これはなかなか答えが出ません。がんばっても答えが出ないので、大抵の人はあきらめてしまいます。でも粘り強く続けて下さい。あきらめずに尋ね続ければ、脳は無数の脳細胞を総動員して答えようとしてくれます。やがて、脳に感覚的、物理的な変化がおき、脳が統合へと向かいます。脳が統合したとき、ほんとうの願いが分かり、覚醒が生まれます。この覚醒こそが、あなたを悟りへと導くのです。

脳教育で悪い情報を追放する

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

脳教育では「情報の選択」を学ぶことができます。その情報の中には、神という概念も含まれます。世の中には、多くの神がいます。神がたくさんいるのは、人間の知らない事がそれほど多いということです。雨や雷、海の実態やメカニズムが分からなかった時代、人間はそこに神がいると考えました。

しかし、雨が降る法則、雷が鳴る法則、波が立つ法則を知るようになると、そのような現象に神の名をつけなくなりました。つまり、実態が分からない時は神で、分かれば法則になります。人間が宇宙の実状をすべて悟れば、すべての神が法則に変わるでしょう。

脳教育では、神という概念も、一つの情報としてとらえることができます。たとえば、鬼神という神は、脳教育の観点からみると、「悪い情報」です。鬼神は、ねたみ、嫉妬、怒りといった感情をもたらします。自分が何かをやろうとすると邪魔をします。

鬼神は常に人間のスキを狙って、中に入り込もうとします。何かをあきらめようと思った瞬間、侵入してきます。自暴自棄の状態が続くと、鬼神が脳の主人として居座ってしまいます。そんなときは、早く鬼神を追放して、脳の主人の地位を取り戻して下さい。鬼神を追い出すということは、悪い情報をなくす事です。脳教育がそのための手段を教えてくれます。

そしてもう一度、堂々とした主人の姿で、別の情報を選択して下さい。強い意志があれば、もう鬼神は戻って来ません。

小さな出発が生む成功哲学

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

偉業を成し遂げた人たちの成功哲学の基本にあるのは、創造性です。いつの時代も、創造性に富んだ人が、世界をリードしてきました。

私たちは、こうした偉人たちの創造性に感心しつつ、「自分には創造性が足りない」と感じてしまう傾向があります。

でも、実は、創造性のない人なんて、この世にはいません。

だれもが創造性を持っています。

創造性が発揮できないのは、脳の中で眠っているか、抑圧されているだけです。

創造性を活かすカギを握るのは「意志」です。

何かを実現しようとする意志を持ったときに、はじめて創造性が発揮されます。

私自身は、大学入試の三浪の時代に、初めて創造性というものを体験しました。

当時、浪人中にもかかわらず、勉強に嫌気がさして、テコンドーと合気道に打ち込んでいました。

ある日、町内の片隅に積み上がっていた大きなゴミの山があまりに見苦しいので、「何とか自分で片付けよう」と思い立ちました。

次の日から1か月間、ゴミを背中に担いで毎日運び続けました。生ゴミは近くの空き地の土に埋め、そこにカボチャの苗を植えました。

ゴミがすべて片付いてしばらくすると、植えたカボチャがすくすくと育ち始めました。やがて、一帯を覆うほどになり、大量の実がなりました。おかげで、その季節は、町中の豚までもがカボチャで満腹になるほどでした。

この体験をきっかけに自信を取り戻した私は、次の年、無事、大学に合格しました。

今考えると、「ゴミとカボチャ」の体験はまさに創造でした。

創造とは人生における発見であり、発明です。

多くの成功哲学が示すように、偉大な発見や発明も、小さく、些細な出発から始まります。

出発は小さくても、最後までやり通すことで、大きな創造につながります。

あきらめず続けること。それが、あなた自身の成功哲学を生むはずです。

「願うこと」が成功哲学・自己啓発の第一歩

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

歴史に残る成功哲学や自己啓発法の多くに共通するのは、情熱や意志、そして信念を持って物事に取り組むことが大切だということです。

「求めよ、そうすれば与えられるだろう」。これは、イエス・キリストの言葉です。

「何事も願えばかなう」と説く成功哲学は、脳科学の立場からみても、かなりの真理を含んでいます。願いごとがあると、脳の創造性や生産性が高まるからです。

人は願いごとがあって初めて情熱や信念を持ちます。何かを成し遂げたいという意志こそが、自らを高めようとする自己啓発の第一歩です。

人間の脳は願いごとに対して最も敏感に反応します。たとえば、健康を願うというメッセージを脳に入れると、脳は「運動を始め、食習慣を変えよう」という情熱を呼び覚まします。

ただ、脳が対処できない願いごともあります。たとえば、宝くじ。宝くじを買って当選を願うメッセージを脳に与えても、脳は何もできず、手を後ろに組んでいるしかありません。

単なる「たなぼた」や「幸運」で願いごとが実現しても、あまり意味はありません。願うと同時に、実現に向けて最善を尽くすことが大切です。最善を尽くして成功できたときは、喜びもひとしお。脳の快感中枢が最も強く刺激されるのも、努力してむくわれたときです。

まずは、自分がほんとうに願っていることを見つけましょう。脳教育の成功哲学を学ぶことで、そのための重要なヒントが得られます。

真の願いごとを発見すれば、必ず人生に変化が起こります。

脳教育の成功哲学~自分の脳をだまして幸せに!?

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

脳教育は、私たち一人一人に「成功哲学」を与えてくれます。その成功哲学の基本は、「脳を活かせば、夢が実現する」ということです。

「人間は自分の脳の10%も使うことができていない」。そんな話を聞いたことがあるかと思います。天才科学者アインシュタインですら、脳の15%くらいしか使わなかったという見方もあります。

19世紀、ある心理学者が「普通の人は脳を10%使い、天才は15~20%使う」という見解を発表しました。その後、「10%でなく6%だ」という説が出され、最近では「0.1%」という研究報告まで出ています。

そうかと思えば、「脳はすでに100%使われている。ただ、どのように使われているのか解明できていないだけ」という学者もいます。いずれにせよ、「脳には私達が知っているより、はるかに莫大な潜在能力や機能がある」という意見に異論はないようです。

人生で成功をするには、脳を上手に使うことがカギを握ります。それが、脳教育をベースとした成功哲学のポイントです。

では、どうすれば、脳を上手に活用できるのでしょうか?

その方法の一つは、脳に肯定的な情報を与えることです。

いつも否定的な考えを持っている人は、外から入ってくる情報にネガティブに反応する脳回路が形成されています。この脳回路は被害意識を強くし、挑戦する意識を弱めます。

否定的な脳回路を修正する最も良い方法は、なるべく否定的な言葉を使わず、肯定的な言葉を使うことです。「~しない」「~できない」ではなく、「~する」「~できる」という言葉を積極的に用いるのです。

つまり、脳を上手にだますともいえます。

脳を「だます」とは、脳を説得する作業です。古い観念に替わる新しい情報を脳に与えてあげるのです。

たとえば、老年期に入って「そろそろ死ぬ準備をしないと」と考えると、脳は老化のプロセスを着々と進めていきます。

しかし、「人生は60からだ」と考え、エクササイズに励み、生活習慣をしっかりと管理すれば、脳は老化のプログラムを修正してくれます。

自分の脳に肯定的な情報を蓄えるテクニックを覚えるのが、脳教育の成功哲学の真骨頂です。

脳教育と脳トレーニングが導く脳の集中、そして統合

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

脳教育や脳トレーニングには、集中力を高める効果があります。

最近、「注意欠陥・多動性障害」(ADHD)と診断される子供が増えています。ADHDとは、注意力が散漫で、物事に集中できない発達障害です。脳教育や脳トレーニングへの関心が高まっているのも、子供の集中力低下が背景にあるようです。

子供の注意力低下は、とても深刻です。集中力が落ちると、学力だけでなく、脳の成長そのものにマイナスの影響が出るからです。

脳は、何かに集中することで発達します。集中状態が新しい脳回路をつくります。集中というと、多くの人は、机の前でじっとしている状態を考えがちですが、それは視野の狭い集中です。机の前で緊張した状態で集中しても、長続きせず、心がどうしても違う方向に向いてしまいます。

脳に好影響を与えるのは、もっと視野の広い集中です。視野の広い集中とは、自分の夢を実現するために集中している状態です。夢や人生の目標のためなら、集中も長続きしやすく、脳の働きも活発になります。
集中した状態が続くと、脳全体の「統合」という現象が起きます。脳が統合されると、眠っていた潜在能力が最大限に引き出され、それまでは思いもよらなかった力が発揮されます。脳トレーニングを続けた人が、仕事や勉強で優秀な成績を出すのは、このためです。

脳教育や脳トレーニングは、自分の人生の目標や夢を見つけるのに役立ちます。脳教育を通じて見つけた目標に向かって、粘り強く脳トレーニングを続けることが、脳の統合へとつながるのです。

脳教育と脳トレーニングで情報の「選別力」アップを!

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

脳教育は、自分の脳に入る情報を管理する方法を教えてくれます。脳教育を受けて、脳トレーニングの訓練を重ねることで、脳活性化につながる情報を選別する力が身につきます。

インターネットの普及などによって、膨大な情報が世界を飛び交う時代になりました。おかげで生活が便利になり、仕事の効率も良くなりましたが、同時にストレスや心の混乱も増加しました。

人の脳は、情報に敏感です。外から入ってくる情報に対して、とりあえず無条件に反応します。たとえば、怖い夢を見ると心臓の拍動が早くなり、喧嘩をする夢を見ると寝言で怒鳴り声をあげたりします。それは、夢という仮想の情報に脳が反応しているからです。映画を見るときも、人は泣き、笑い、怖がります。これも、映画というスクリーン上の仮想情報と現実を脳が区別していないからです。

世の中にあふれる情報をそのまま脳に流し込んでいると、脳はその都度それに反応し、振り回されてしまいます。脳の成長につながるような情報を主体的に選んであげることが大切です。その手法を教えるのが、脳教育です。
脳トレーニングを通じて、脳に送りこむ情報の選別や管理ができるようになれば、人生が大きく変わります。

たとえば、困難や障害に直面したとき、「自分はいつもついていない」と後ろ向きにとらえてしまうのは、ネガティブな情報です。ネガティブな情報ばかりだと、脳は進歩しません。どんな困難にあっても「いい経験だ」と受け止めれば、その後の成長のきっかけになります。

脳教育と脳トレーニングで情報管理の技を磨いて、ご自分の夢や目標を達成して下さい。

脳トレーニングで夢をかなえる

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

脳トレーニングの目的は、夢をかなえることです。

夢は心の底から願いさえすれば、必ずかなえることができます。それは、宇宙の法則です。

でも、願いをかなえられないときもあります。それはなぜでしょう?

夢がかなわないとき、どれくらい心の底から願ったのかを考えてみて下さい。

「心の底から願う」ということは、脳の一部でなく全体を使って願うことを意味します。脳トレーニングでは、脳の全体を使うことを常に意識します。

人が脳全体を使って願うとき、大きな変化が起きます。脳の深いところに眠っている「原始情報」が目覚めるのです。

原始情報とは、人間がもともと持っている根源的な知恵です。すべての人の脳に潜在しています。人類の長い進化の歴史を経て、人間の脳に基本機能として蓄積されてきた「宝」です。

でも、原子情報はいつでも活用できるわけではありません。原始情報が役に立つのは、自分をひたすら信じて挑戦する時です。

これまで経験したことがないようなことにチャレンジするとき、原子情報が現れて、あなたを導いてくれます。その手助けをしてくれるのが、脳トレーニングです。

歴史に残る偉大な業績を残した人たちに共通するのは、自分の夢をかなえるために、あきらめずに挑戦したという点です。

夢を途中であきらめてしまうと、原始情報が持っている潜在能力は何の意味もなくなってしまいます。潜在能力は夢のために引き出されるからです。どんなにたいへんでも、投げ出さずに根気強く続けて下さい。必ず良い結果を得ることができます。脳トレーニングは、続けてこそ価値があるのです。

脳教育で習慣を変える

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

脳教育を学ぶと、習慣を変えることができます。

私たちの行動の大半は、習慣として行われます。私たちの考えも、たいていは習慣に基づいています。

いったん身に付いた習慣を変えるのはとても難しいです。しかし、習慣を変えれば、行動や考えが変わり、自分の運命を変えることができます。

習慣を変えるカギを握るのが脳です。習慣とは、それぞれの人の脳の中で行われる自動的な情報の処理です。ある行動や考えを続けていると、それに基づく脳回路が作られます。その脳回路が、私たちに習慣的な行動をさせるのです。

習慣を変えるには、新しい脳回路を作る必要があります。それに役立つのが脳教育です。脳教育を学べば、脳に新しい情報を入れてあげられることができます。新しい情報によって古い脳回路が遮断されるのです。

自分の脳を自動車だと思って下さい。運転席に自分が座っていて、車を発進させるためエンジンをかけます。でも、車が思うように動きません。ふと脇を見たら、サイドブレーキがかかっていました。人間でいうなら、サイドブレーキは、古い習慣に基づく先入観や固定観念です。これらを取り除けば、力強く車を発進させることができます。

新しい挑戦をしようとすると、最初、脳は抵抗します。しかし、抵抗されても、意志を貫いて下さい。やがて脳は意志に従い、古い習慣を捨て去ってくれます。脳教育はそのための方法論を教えてくれます。脳教育で運命を変えて下さい。

脳教育で変化する力を身につける

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

人は環境次第で劇的に変わることができます。脳教育は、そのきっかけとなります。

人の特性が、遺伝的な要因と、環境的な要因によって決まるということは、よく知られています。では、どこまでが遺伝で、どこからが環境の影響なのでしょうか?

実は、お母さんの体のなかで卵子と精子がくっついた瞬間から、環境が新しい生命に影響を与え始めます。母親の子宮の中で成長している間、遺伝要因と環境要因が横糸と縦糸のように絡まりあい、人間の特質を作り出します。
もちろん脳もその一部。体と同じように、遺伝と環境に影響されて育ちます。遺伝子が持つ情報によって脳の下絵が描かれ、その上に環境が絵を描き加え、彩色します。遺伝子が脳を完全に支配することはできず、環境が大きく作用するのです。

環境要因の中で大きいのが、両親の存在。すべての脳は、遺伝的特質よりも高い潜在力を持っており、その潜在力を呼び起こすには、お父さん、お母さんが子供の可能性を信じることが大切です。

両親が子供を信じていれば、子供自身も自信を持てます。自分を信じることで、脳の力がぐんとアップします。そのサポートをするのが、脳教育です。

脳教育で自信がついた人は、態度が肯定的になります。肯定的な態度とは、外部から入ってくる情報に柔軟に反応し、変化し、成長できる下地ができるということです。

自分の失敗や過ちによって意気消沈したときは、自分自身にこう言い聞かせて下さい。

「過去の私はそうしただろう。しかし、今は違う」と。

過去の経験を恥じたり、否定したりするのでなく、素直に認める瞬間、緊張で固くなった脳の回路が解かれ、新しい考え方に切り替わるのです。