世界的な脳哲学者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、人類は、地球上でもっとも脳を発達させた生物だといいます。生物のなかで人類だけが言語や宗教、思想、学問をつくり、文明社会を築けたのは、脳をうまく利用したからです。
これだけ優れた脳を発達させた人類ですが、いまだに戦争や暴力をやめていません。他の動物たちが平和に暮らしているのに、なぜ人間はこうした過ちを繰り返すのでしょうか?
李承憲氏によると、人間の脳には「獣性」「人間性」「神性」という3つの特質があります。獣性は他の動物にもありますが、人間性と神性は、人間だけが高度に発達させてきたものです。
人間性とは、すなわち感情です。感情は、人間を幸せにもしますが、逆に感情が暴走すると、他人と衝突したり、自殺したりといった破壊的な行動を起こします。感情自体が脳の機能であり、さらに、この感情をコントロールするのも脳の役目です。感情を上手にコントロールするには、まず脳が自分自身と通じ合うことが大事です。
「感動」も感情の一つです。感動すると、感情が純化され、否定的な感情を消し去ってくれます。感動して意識が高揚した瞬間、私たちが体験するのが「神性」です。
神性とは、宇宙の根源的な法則です。いうなれば、宇宙を創りあげた「創造主」の特質が、人間にそのまま宿ったものです。ここでいう「創造主」とは、哲学的な存在であり、宗教の神ではありません。脳の神性は、良心や愛、創造といった尊い価値を担っています。
脳のなかで神性が目覚めると、感情をコントロールする段階を超えて、感情を創造することができるようになります。李承憲氏の脳哲学は、脳の神性を覚醒させるための実践論を説いています。