地球の治癒者としての自覚~李承憲氏

「地球愛」の大切さを説く脳科学者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人間こそが地球の治癒者になり得る存在だとし、その自覚を持つことが、人生をより豊かなものにすると指摘します。

李承憲氏によると、地球を愛することは、地球を一つの共同体として認識し、その共同体への責任を果たそうとすることだといいます。地球愛は、家族愛や郷土愛と同じように、その一員としての役割をこなし、そのことに生きがいを感じることで育まれます。

いま地球は、環境破壊や紛争といった問題を抱えています。李承憲氏は、これらの問題を解決できるのは人間だけだと言います。それらは、そもそも人間がつくった問題だからです。

「地球を救える存在」としての自覚を持つことが、地球人としての第一歩となります。つまり、「地球の平和を成し遂げられる地球上の唯一の主体は人間しかおらず、自分はすなわちその主人公だ」(李承憲氏)という認識を持ち、地球の治癒者として行動を起こす。それが、真の地球人なのです。

地球の大きさに比べて、個々の人間は無に近い存在かもしれません。しかし、「その人間の心に母なる地球の心が入りこめば、人間は一粒の碧い地球を愛と憐欄の情を持って眺め、無限なる責任感を覚える大きな存在へと変貌する」(李承憲著『セドナの夢』)ようになります。

李承憲氏によると、自らの価値基準を「地球」に合わせると、ふだんの行動や判断を正しく行うことができます。そして、これまで自分のアイデンティティを形成してきた民族、宗教、思想、文化の限界を乗り越え、普遍的な価値を持つことができます。

脳教育で脳と対話し、内側にある答えを見つけ出す~李承憲氏

李承憲氏は、小さいころから人生に対する疑問を多く抱いていたといいます。言葉を話せるようになるやいなや、「ぼくは、なぜここにいるの?」「ここで何をしているの?」といった根本的な疑問を両親にぶつけていたといいます。

たいていの子供は、こうした哲学的な疑問が浮かんでもそれをいつの間にか封印し、同じ年頃の子供たちと遊ぶことに熱中するようになるものです。しかし、李承憲氏は「自分とは何か」という疑問にこだわり続け、幼少期を通じて自問自答を繰り返しました。

後に李承憲氏が脳教育プログラムを生み出すにあたって、子供のころの自問自答が大きな土台になったようです。李承憲氏によれば、脳教育とは「自分の中で、自分だけの答えを見つける」ことであり、脳と絶え間なく対話することで人間性を高めていくことができます。

思想家ソクラテスは、「己を知れ」という名言を残しましたが、それは李承憲氏の脳教育にも相通じる言葉です。李承憲氏によると、「己を知れ」とは、いわば「自分の脳を知れ」ということ。何かに迷ったときも、自分の脳に聞くことで、答えが導きだされます。その答えは外部から聞こえるのではなく、自分の内面から湧き上がってくるのです。

自分の願いをかなえたいときも同様です。「純粋な心で願うと、そのエネルギーの波動が脳に伝わり、脳はあなたの願望を理解するようになります」(李承憲氏著『脳波振動』)。そして、脳はその望みを実現するため、懸命に働いてくれるのです。

李承憲氏の脳教育で、内なる声を聞く耳を養う

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人生における「選択」の重要性を説いています。

私たちには、だれしも願望があります。しかし、その望みをかなえようとする自分に対して、その足を引っ張ろうとする自分もいます。「自分にはムリだ」「現実的ではない」「リスクが高すぎる」と嘲笑する自分です。

しかし、李承憲氏によると、そういった後ろ向きの声は、本当の自分の声ではありません。「偽りの声」です。本当の声と偽の声を見分け、選択することが大事です。

私たちはだれしも「自分の個人的な利益の追求のみに留まらず、家族や隣人、さらに進んで社会全体と人類の役に立とうと思う気持ち」(李承憲氏)を内面に抱えています。こうした「内面の偉大さ」をカタチにすることが、自分の真の姿です。

この「偉大さ」から目をそむけるか、それとも受け入れるかが、人生の大きな分かれ目です。広く世の中に役立とうという神々しく高貴な思いが湧きあがるとき、「これを認めて選択する勇気と、これを実践しようとする意志を私たちは持たねばならない」と、李承憲氏は言います。こうした選択する勇気と知恵を養うのが、脳教育です。

李承憲氏自身、ある日、地球と人類の未来を心から案ずる声を聞き、それから自分に「何ができるか」と腐心するようになったといいます。それ以来、人生が大きく変わったのです。

だれしも、「内なる声」が聞こえる瞬間はあるはず。その声を逃さないで下さい。

一指 李承憲著『セドナ・メッセージ』より

地球のエネルギーを感じ、心を通わせよう~李承憲氏の地球生命論

地球といえば、地球儀や衛星写真でよく目にする球体を思い浮かべますが、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、地球を物体としてとらえるだけでなく、スピリチュアルな面でとらえることが大事だと言います。

私たちは、道端に咲く野の花に「こんにちは」とあいさつしたり、自分で育てた花や木に話しかけたりして、花や木と心を通わせようとします。そのとき、私たちは花を単なる物質として見るのでなく、一つの生命として受け止めています。

李承憲氏は、これと同じように、地球全体を一つの生命体として考え、接するべきだと言います。われわれ人間が肉体と魂を有しているように、地球も肉体と魂、そして、エネルギーを有しています。この魂とエネルギーの存在を感じることが、地球との交流の第一歩となります。

李承憲氏によると、地球は常にとてつもないエネルギーを噴きだしていて、そのエネルギーは地上の大気をいっぱいに満たしています。このエネルギーこそ、あらゆる存在の根源となる「天地気運」です。植物と動物をはじめとして、岩や水、火などに至るまで、地球上のあらゆる存在は、地球と連なる純粋なエネルギーで構成されています。人間も、地球のエネルギーを通じて生命を維持しています。

私たちの意識が地球の魂と結びつき、心が通じ合ったとき、すべてを受け入れて愛することができるようになります。そして、宇宙の万物と調和をなすことができるようになるのです。

体を動かして、潜在能力を目覚めさせる~李承憲氏

人間には生まれつき、とてつもないパワーを持ったエネルギーが備わっていると、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は言います。このエネルギーが目覚めると、自分でも驚くほどの潜在能力が発揮できます。

李承憲氏自身も、内側のエネルギーに出会うことで、人生が大きく変わったといいます。学生時代は「可能性のない生徒」と呼ばれるほどの問題児だったという李承憲氏ですが、内面に潜んでいるパワーを引き出せたことで、人生が転換しました。

李承憲氏によると、大きな目標の達成者や成功者は、本人が意識するか否かはともかく、内面に潜むパワーを発見し、体得した人たちだといいます。

李承憲氏によると、自らのパワーを見つける一番の方法は、体を動かすことです。身体を頻繁に動かすことでエネルギーのレベルが上昇します。最初はエネルギーが充実し、次は強くなって、最後は澄んだ清らかなものになってきます。すると、物事の善し悪しに対する表面上の声がだんだん静かになり、その代わり、深い内面の世界にある、深層意識の声が聞こえ始めます。そこから知恵や自信が生まれ、潜在能力が目覚めるのです。

李承憲氏の脳教育では、私たちの存在は「肉体」「エネルギー体」「情報体」という3つの「体」から成り立っています。このうち、見ることも触ることもできるのが肉体です。肉体を変えることで、エネルギーが目覚め、体と心が一つになります。「心気身一体」になると、潜在能力がいかんなく発揮されるようになります。

一指 李承憲著『脳波振動』より

ビジョンが“弘益”に向かうとき~李承憲氏

「自分とは何か」という疑問は、多くの人が一度は抱えたことがあるでしょう。一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、人は自分のことを「体とその上に覆い被された情報」だと思いがちです。しかし、情報はあくまで情報にしかすぎません。自分とは「自分の魂であり、終わりも始まりもない、永遠の生命である」と李承憲氏は言います。その自覚ができたとき、私たちの意識レベルは飛躍的に高くなり、真の幸せを手に入れることができます。

李承憲氏は、私たちには「弘益」(ホンイク)の本能があるといいます。弘益とは、世の中を良くしようとする意識です。弘益人間として世の中に尽くすことが、「意識レベル」が高くなっている状態といえます。とはいえ、同じ人でも意識レベルは一定ではありません。一日のうちで何回も意識レベルは変わります。「すべての人の内面にはイエスや釈迦のような境地の可能性と、人からそっぽを向かれる利己主義者や、それより暗い意識状態の可能性が同時に存在する」(李承憲氏)のです。

意識レベルを安定的に高くするためには、何のために生きるのかというビジョンを持つ必要があります。ビジョンとは「私たちが発揮できる最大のエネルギーと、最高の努力と、最善の知恵を絞り出さなければ達成できず、自分の思う限界を超えたところにあるもの」(李承憲氏)です。そのビジョンが利己的なものでなく、地球的で「弘益」なものに向かうとき、私たちの意識のレベルは最高潮に達するのです。

一指 李承憲著『脳呼吸』より

自分の夢が導く、自分だけのオリジナル人生

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人生とは「あなたが選んだその夢を最後まで推し進めることだ」と言います。夢のために自分自身を果敢に投げだす。それが、真に価値ある人生です。

李承憲氏によると、人生とは決まりきった枠組みの中で生き延びることではありません。自らの本性の声に従い、オリジナルなものにすることが、人生の価値です。そのために必須なのが夢です。夢があることで、人生も創造的になります。

だから、まずは夢を見つけることが大事です。自分の情熱を注ぎこめるような夢です。李承憲氏は、自分の「本性」の声に耳を傾けることで、ほんとうの夢に出会うことができると言います。そして、「崇高で偉大な思い」を抱き続け、それを信じることが夢の実現につながります。

そもそも人間は、時間と空間の中にほんの少しのあいだ現れては消えゆく存在です。「一人の人間が生きて死ぬこととハエの一匹が生きて死ぬことは、宇宙的な観点から眺めれば、まったく重みの違わぬ事件」(李承憲著『セドナ・メッセージ』)なのです。

だからといって、人間が虚しい存在というわけでは決してありません。「私たちはある日、この人生を、だれとも知らぬ存在から贈られている。その贈り物を受け取る際、私たちはそれをすべて自分だけのオリジナルでつくれる、限りない選択の自由も一緒に贈られた」からです。

私たちは人生の意味を自分でつくることができます。夢に向かって生き、自ら選択したとおりに生きていけるのです。

呼吸で感じる「地球の身体と魂」~李承憲氏

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、脳教育のベースとなる「地球愛」を実践するための方法として、呼吸の大切さを訴えています。呼吸を通じて地球の身体を感じることで、自らの「神性」を感じとることができるといいます。

李承憲氏によると、山や海、そして花や木などの自然はすべて「地球の身体」です。私たちが食べる野菜や果物、そして、水も地球の身体の一部であり、人間も、地球の懐(ふところ)の中で暮らしています。まさに地球は、あらゆる生命体にとって「母」なのです。

私たちは、地上で起きるすべてのことを地球の身体として受け止める必要があると、李承憲氏は言います。日差しを反射してキラキラ輝く海は「地球の魂」であり、体中を愛撫するかのように吹く風は「地球の息づかい」であり、清明な空と白い雲は「地球の心」です。

地球の息づかいを感じる最適な方法の一つが呼吸です。李承憲氏によると、人間の呼吸は、地球の循環の一つ。地球から吐きだされた息を樹木が吸いこみ、樹木の息を人間や動物が吸い込み、吐き出した息はまた別の動物や樹木が吸収します。このプロセスは、地球を舞台にした生命の循環です。

李承憲氏は「私たちは呼吸をすることで、地球上のあまたの生命体とともに宇宙の息づかいを分かち合っていることを実感できる」と話します。呼吸で地球を感じることで、宇宙へと連なる自分自身の「神性」を目覚めさせることも可能となります。

一指 李承憲著『セドナの夢』より

李承憲氏の脳教育トレーニングは、「行動を伴う選択力」を養う

私たちの価値は日々の選択の積み重ねによって決まる、などとよく言われます。しかし、脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、この考えを一歩進めて、選択するだけでなく、その選択を「行動」に移すことの重要性を説いています。行動こそが、真の価値の創造につながるからです。

李承憲氏は自分自身の「悟り」のプロセスについて、「人生の目的を少しずつ実現する過程で、より強固なものになっていった」と振り返ります。目的を探すにとどまらず、それをカタチにすることが、より深い悟りへとつながったのです。

著書『脳がわかると人生は変わる』の中で、李承憲氏は「人生の目的を探すための私の選択は、30年前に終わりました。そのとき私は、旅の終わりに到達したと感じました」と語っています。

しかし、李承憲氏の探求はそれでは終わりませんでした。「私は誰なのか?」という自問自答に区切りがついた後は、新しい自問を始めたのです。それは、「人生の目的を達成するために、何をしなければならないのか?」というものでした。人生の目的を達成するためのより良い方法を模索し続けたのです。

李承憲氏はこうした経験をふまえ、考えて、悟り、そしてまた選択するという繰り返しによって、人間は「真の自分として存在することができる」といいます。

脳教育のトレーニングのキーワードとなる「選択」。それは、自らの目的を探すことにとどまらず、「人生の目的の門を開け放つための行動」を選ぶことでもあるのです。

李承憲氏の脳教育で、地球とのつながりを感じる

私たちの住む地球は、人間の物質文明によって環境破壊が進み、病み苦しんでいます。脳教育者の一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は「これからは、人間が地球を助ける番だ」と提唱しています。今まで私たちの生命を育んでくれた地球に感謝し、恩返しをすることは、脳教育のテーマでもあります。

李承憲氏の脳教育が唱える「地球との交流」は、地球の本来の姿を取り戻すための実践の一つです。地球との交流は、地球を感覚的にとらえ、通じることから始まります。地球を生命体として感じ、その生命体に宿っているエネルギーや魂を感じられるようにすることです。この心の交流を通じて、私たちの人類の意識も物質文明のものから抜け出し、進化を遂げることができます。

李承憲氏は著書『脳波振動』で「私は地球の苦しみを感じることができます。あなたも地球を感じているはずです」と語っています。私たちが地球を感じることができる理由は、身体の波動が地球の波動と共鳴しているからです。「あなたと地球はひとつであり、あなたと宇宙もひとつ」(李承憲氏)なのです。

地球の魂を感じるための脳教育のトレーニングの一つが、瞑想です。瞑想によって脳を目覚めさせれば「私たちの脳は地球とつながっている」という感覚が生まれます。こうした感覚が人類の間で共有されれば、地球は本来の美しさを取り戻すはずです。

地球は、異なる環境や宗教、文化の中で、多様な価値観を持って生きているすべての人々を、ひとつにできる唯一の存在です。地球だけが、宗教や民族、国家、文化、価値観の違いを乗り越え、人類の意識をひとつに束ねることができます。地球を助けることができれば、人間の魂も完成に向かうのです。