「地球愛」の大切さを説く脳科学者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人間こそが地球の治癒者になり得る存在だとし、その自覚を持つことが、人生をより豊かなものにすると指摘します。
李承憲氏によると、地球を愛することは、地球を一つの共同体として認識し、その共同体への責任を果たそうとすることだといいます。地球愛は、家族愛や郷土愛と同じように、その一員としての役割をこなし、そのことに生きがいを感じることで育まれます。
いま地球は、環境破壊や紛争といった問題を抱えています。李承憲氏は、これらの問題を解決できるのは人間だけだと言います。それらは、そもそも人間がつくった問題だからです。
「地球を救える存在」としての自覚を持つことが、地球人としての第一歩となります。つまり、「地球の平和を成し遂げられる地球上の唯一の主体は人間しかおらず、自分はすなわちその主人公だ」(李承憲氏)という認識を持ち、地球の治癒者として行動を起こす。それが、真の地球人なのです。
地球の大きさに比べて、個々の人間は無に近い存在かもしれません。しかし、「その人間の心に母なる地球の心が入りこめば、人間は一粒の碧い地球を愛と憐欄の情を持って眺め、無限なる責任感を覚える大きな存在へと変貌する」(李承憲著『セドナの夢』)ようになります。
李承憲氏によると、自らの価値基準を「地球」に合わせると、ふだんの行動や判断を正しく行うことができます。そして、これまで自分のアイデンティティを形成してきた民族、宗教、思想、文化の限界を乗り越え、普遍的な価値を持つことができます。