「母なる地球」の存在が人類の調和を生む~李承憲氏

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、地球の魂は、人間の魂と結びついています。私たちが地球の心を感じ、地球と相通じることができたとき、母なる地球の心で、すべてを受け入れて愛し、調和をなすことができるといいます。

東洋と西洋を問わず、地球のことを「母なる地球」「母なる大地」などと呼ぶ言語は多いです。李承憲氏によると、母なる地球の存在は、いわゆる「神」という概念とは大きく異なります。神は目に見えませんが、母なる地球は目に見える身体を有しているからです。地球は、私たちがだれでも目で見て、聴いて、触ることができます。だから、人間が行っていることを喜んでいるか嫌っているかは、地球の状態を見れば、すぐにわかります。

一方、神という概念は、私たちが肉体で触れることができない存在です。人類は昔から、応答しない神に向かって絶えず祈り、自分の信じる神が、自分たちの属する国や民族、そして家族を守ってくれるものと信じて、争いごとを繰り返してきました。いわば、神の名の下、自分の望みどおりに振る舞ってきたのです。

地球は、あらゆる人類の母のような存在です。母のような大いなる愛で全人類を温かく包み込める存在、すべての国家と民族と宗教を抱擁できる存在こそがまさに「母なる地球」なのです。母なる地球はいま、人間の無分別さのせいで苦しんでいます。母なる地球の苦しみは、単に、地球の身体である自然環境破壊のせいばかりではありません。母なる地球の魂は人間の魂とつながっているため、人間が互いに葛藤し、対立すればするほど、母なる地球の苦しみは大きくなるばかりなのです。

李承憲氏が語る「ライフ・パーティクル」~夢の実現のカギとなる粒子

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は三十数年前、脳教育を世に広めるという使命に目覚め、それ以来、トレーニング法の研究・開発を続けてきました。これまでに様々な瞑想法や脳トレを編み出し、脳波振動(ネッパジンドン)などのエクササイズを世界各地に普及させました。

そんな李承憲氏の近年の講演会などでよく紹介しているのが、「ライフ・パーティクル」という考え方です。ライフ・パーティクルとは、宇宙を構成する最も基本的な粒子で、情報と生命を伝達する最小単位の粒子だといいます。

李承憲氏によると、ライフ・パーティクルは限りなく多様な周波数で振動し、多様に集まっては散らばる無数の生命現象をつくり出しています。「可視的な物質世界から不可視的な精神世界に至るまでの全宇宙を埋め尽くしていて、時間と空間に制約されず、どこへでも、いつでも自由に移動できる」(李承憲氏)という特性も持っています。

ライフ・パーティクルは、李承憲氏が瞑想を通じて得た洞察と直観よりもたらされたコンセプトであり、科学的に立証する方法はないものの、「いつの日か、未来科学が同じ発見に到達することを望むとともに、そうなると信じている」と、著書『セドナ・メッセージ』で語っています。

このライフ・パーティクルが集まってつくり上げるのが「ブレインスクリーン」です。ブレインスクリーンは、私たちの精神活動が行なわれる無限の内的空間として活躍する存在です。ブレインスクリーンで描かれたイメージがライフ・パーティクルを通じて脳内に反映されます。ライフ・パーティクルの力を得た脳は、自らの夢や願いを実現するために懸命に働いてくれます。まさに、自己実現のカギを握るのが、ライフ・パーティクルなのです。

「すべての秘密が脳にある」~李承憲氏の脳教育

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、30年前に大きなことを学んだといいます。それまでは、大きなビジョンも大きな夢もなく、同じことを繰り返すだけの日々を過ごしていたのが、「脳」の使い方を知ることで、人生が大きく変わったのです。

このころ、李承憲氏は「私がなぜ生まれたのか」「私がこの世に来た目的が何なのか」という大きな疑問を持ち、考えぬいたあげく、問題は「私」にあることが分かったといいます。「私が一体誰なのかという切な疑問から始まり、私自身を分かるようになった」(李承憲氏)のです。

それ以来、李承憲氏は自らのビジョンの実現に向かって脳を100%集中させました。日々トレーニングを重ね、さらに、その成果を他の人に分かち合うようになります。ある早朝の日、公園で出会った人にブレイン体操を伝えたことがきっかけとなり、その輪がみるみるうちに広がっていきました。これがやがて「脳教育」として世界中へと普及していったのです。

こうした自らの経験から、李承憲氏は「人は志を立て、信念を持てば、ビジョンが生じ、その時、脳は強く反応して動き出す」と言います。「私」の人生のすべてをかけても惜しくない何かが生じるとき、未来は変わってくる。「すべての秘密が脳にある」のです。

李承憲氏によれば、世界平和のカギも脳にあります。国と民族、思想と哲学、宗教もすべて脳に中にあり、世界が平和にならない理由は、人間の脳の中に入っている情報が互いに異なるからです。今日の人類文明を作ったのが脳の創造性であるように、当面の人類の問題を解決する方法も「脳」にあります。

一指 李承憲著『BOS 脳の中の偉大な革命』より

脳に「いい情報」を与え、豊かな生活に~李承憲氏の脳教育

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、脳が物事をいかに解釈するかによって、私たちの幸福感も心身の健康も、大きく変わり得ます。

米国の名門ハーバード大の学術実験では、頭痛に効果がないはずの薬でも「効く」と信じて服用すると、頭痛の症状が軽くなるという結果が出ました。実験では、本物の頭痛薬と、偽物の頭痛薬を飲んでもらい、その結果を比較。すると、本物の薬を飲んだときだけでなく、偽物の薬を本物だと思い込んで飲んだときでも頭痛が軽減しました。逆に、本物の薬なのに「偽物」だと思って飲んだときは、頭痛改善の効果が少なくなりました。

こうした現象は、「プラシーボ効果」と呼ばれます。プラシーボ効果は、脳がどのような情報を信じているかによって、結果に大きな違いが出ることを示しています。

逆に、脳が悪いことを信じると、悪い影響が出ることがあります。これを「ノーシーボ効果」と呼ばれます。例えば、数人が食事を共にした後で、そのうちの一人が「食べ物が腐っていた」と言ってトイレに駆け込めば、他の人も吐き気をもよおしたり、お腹が痛くなったりすることがあります。

脳教育では、このような脳の特性を利用し、健康や幸福度をアップさせることを目指します。脳に与える情報を変え、さらに、脳の受け止め方を変えることで、私たちの生活はずっと豊かになります。

脳教育で情報選択力をアップし、創造人生へ~李承憲氏

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、脳の上手な情報管理により、より創造的な人生を歩むことができると指摘しています。

私たちが食事中にイヤな話を聞くと、食欲がうせることがあります。それまで美味しいと思って食べていたのが、急に食べる気をなくします。逆に、元気がなくて落ち込んでいるとき、励ましの言葉を投げかけられると、急にやる気が出ることがあります。こうした現象は、脳が外部からの情報に対して、敏感に反応する結果です。

李承憲氏によると、私たちの脳は刺激にとても敏感で、外部からの情報に影響されやすいです。だから、脳にインプットされる情報を選択すれば、脳の働きをより良い方向へと導くことができます。

脳教育では、「情報管理」といって、外部から入ってくる情報の中から、自分にポジティブな影響を与えるものを選択する術を学びます。どの情報が良い情報なのかを選ぶ判断力と、取捨選択する力を養うことで、脳がより創造的な力を発揮できるようにするのです。

李承憲氏の脳教育を語るうえでもう一つ欠かせない観点が、脳の可塑性(かそせい)です。私たちの脳のネットワークは、絶えず新しく作られたり、なくなったり、切れたりしながら、変化していきます。このおかげで、人間は環境が変わっても適応できる生存能力を発揮できます。脳教育では、この可塑性を活かして、年齢に関係なく、脳にプラスの変化を生むことを目指しています。

脳教育はなぜ「体」を重視するのか?~李承憲氏の健康論

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏の脳教育では、体に働きかけて脳を活性化させ、健康や幸福を実現するというプロセスを重視しています。

私たち人間は、大きく分けて「体」と「脳」を持っています。このうち、歴史上、先にできたのは、体です。単細胞が多細胞を作り、多細胞の集団がだんだん複雑になって出来あがったのが脳です。つまり、体が先にあって、体の必要に応じて脳が後から作られたのです。

人間の脳が今のように発達するまでには、とても長い時間がかかりました。脳は私たちの体をコントロールする司令塔ですが、今でも、脳がすべてを行っているわけではありません。体は脳と緊密に協力しますが、自ら判断して調節する独自の機能もあわせもっています。

こうしたことをふまえ、李承憲氏の脳教育では「脳の発達は全面的に体を通じてのみ達成する」と考えています。五感の刺激が体を通じて脳に伝達されてこそ、その刺激に対して脳で反応する体系が作られて強化される。だから、体を通さずには脳を開発できない—-という考え方です。

李承憲氏の脳教育プログラムでは、感覚体験を通じて「体」に働きかけ、それによって脳機能を活性化させていきます。体と脳には絶えず刺激と反応のやりとりがなされ、互いに直接的な影響を与えます。だから、体を鍛えるのは、脳機能を活性化することであり、体の管理法はそのまま脳の管理法にもなるのです。

李承憲氏は「体を使う原理を知り、それにしたがって体を使えば、体の機能効率が良くなり、脳機能も向上する」と言います。体あってこその脳であり、体と脳が一体となってこそ、真の健康を手に入れることができるのです。

一指 李承憲著『脳教育原論』より

脳教育で「良心を基準に生きる人材」を育てる

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏の脳教育を一言で表現すると、「良心にしたがって生きる力を育てる教育」です。

そもそも脳とは、情報を処理する器官です。五感から入って来た情報を処理し、それをもとに体に指令を出しています。だから、情報を上手に処理できれば、脳を上手に活用することができるはずです。

ただし、大事なのは、情報を処理する際の「基準」であると、李承憲氏は言います。人間が情報を処理する際に、どうしても「感情」「欲望」「利己心」を基準にしがちです。しかし、感情によって情報処理をしていると、理性的な判断ができなくなります。また、欲望や利己心を基準に情報処理していると、ほんとうに幸せになることはできません。

そこで、李承憲氏が強調するのが、「良心」を情報処理の基準にすることです。良心に基づいて情報を処理すれば、正しい行動を起こすことができます。

脳教育では、脳の中にある良心を目覚めさせ、良心を尺度にして情報を選択し、判断していく術を学びます。さらに、良心というものを頭で理解するだけでなく、それを行動に移すことを重視しています。知識を得るだけでなく、体の感覚を磨き、「体験」を積み重ねることの意義が強調されています。

李承憲氏は著書『脳教育原論』の中で、「人間の無意識層までを含む体験情報が知識情報と結合する時、実質的に価値を実現する力を発揮できる」としています。体験を重んじることで、健康、幸せ、平和の実現に資する人材を育てることができるのです。

脳教育で人間性回復の時代を築く

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、現代社会を「人間性喪失の時代」ととらえ、失われた人間性を取り戻すための手段として、脳教育の普及に取り組んできました。

人類の文明の進化をもたらしたのは、科学と教育です。この2つは両輪となって、私たちに物質面での豊かさをもたらしました。しかし、いくら物質的に豊かになっても、地球上から戦争や飢餓はなくなりません。むしろ貧富の格差は拡大し、国家や宗教間の紛争も絶え間なく続いています。地球環境の悪化や生態系の破壊も、深刻さを増しています。

そんな時代に、李承憲氏が提唱するのが、従来の教育や科学の枠を乗り越えた「人間性回復」の取り組みです。現代社会で失われた良心を取り戻し、弘益精神を回復することで、人間一人一人が自分の「脳の主(あるじ)」になる。それによって、行き詰まりを迎えた物質文明にかわる「人間性回復の時代」を迎えることができるのです。

李承憲氏は著書『脳教育原論』の中で、「(人間性)喪失から始まるあらゆる問題の答えは私たちの脳にある。(人間性を)回復し、脳の主人になれば、その答えを探すことができる」と語っています。

李承憲氏の脳教育は、脳科学(神経科学)を基盤にしながら、生理学、心理学といった現代科学を網羅。さらに、こうした科学に東洋医学や感性を磨く教育を加え、より総合的な人間を育てるというプログラムです。まさに、科学や学術の垣根を越えた取り組みなのです。

自尊心と弘益精神を養う脳教育

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は30年以上に渡り、現代の教育のあり方の見直しを提唱してきました。その核となる主張の一つが、学校の成績や試験に偏重した教育から、「弘益精神」を養う教育への転換です。

学校教育では勉強のできる上位5%の子供だけが優等生として扱われ、残りの95%の子供たちは落第として判定されてきました。しかし、こうした成績重視の教育は、子供たちを絶え間ない競争へと駆り立て、そこから脱落した子供たちは自尊心が大きく傷つけられるという結果を生んでいます。

李承憲氏は、成績という単一の尺度ではなく、それぞれの人が持つ無限の価値や創造力を評価し、育てるべきだと指摘しています。

李承憲氏の脳教育では、「成績」よりも、子供の脳で何が起こっているのかに関心を向けます。大事なのは、脳がネガティブになるのではなく、ポジティブな状態であること。そのために、脳にポジティブな刺激を与えられる環境を提供することが、教育者の役目だといいます。脳がポジティブな情報で満たされていれば、豊かな人間性が養われ、一人ひとりが輝くことができます。

脳教育の基礎となるのが、弘益精神です。弘益精神とは、人をあまねく利するという精神であり、社会のために尽くす姿勢です。教育界において弘益精神を重視する考えが広まれば、貧富の格差や戦争、宗教間の紛争、飢餓、環境汚染といった問題の解決にもつながるはずだと、李承憲氏は言います。教育改革は、すべての出発点なのです。

一指 李承憲著『脳教育原論』より

家族同士のヒーリングが、無限の愛を育む

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、ヒーリングは人間にとって最も献身的な行為の一つだと言います。ヒーリングとは、体だけでなく、魂を癒すことであり、愛情や信頼を表現し、交流させる手段の一つです。

李承憲氏は、大学で臨床病理学や韓医学を学んだ後、長年にわたりさまざまなヒーリング法の開発に取り組んできました。その李承憲氏のヒーラーとしての原体験ともいえるのが、自身の家族に対するヒーリングです。

李承憲氏は、自分の家族が病気になったときは、自ら施術を行ってきたといいます。子供の体調が悪くなったときも、針や灸、指圧などでヒーリングし、呼吸法や体操を指導することで、回復へと導きました。

そのとき、李承憲氏が感じたのは、ヒーリングがもたらす強い絆です。ヒーリングを通じて、家族の結びつきが強くなり、家族同士の愛情と信頼がさらに深まっていったといいます。「強い結束があれば、どんな苦難も家族を崩壊させることができない」と李承憲氏は言います。

著書『脳がわかると人生は変わる』の中で、李承憲氏はこう語っています。「ヒーリングは最も親密な家庭を作ります。健康に対して親密で心のこもった対話を交わしながら愛で指圧をしてあげると、いつの間にか信頼を元にした意思疎通と、体を通じた親密な経験を積むことができるでしょう」。

お互いヒーリングしあえる家庭で育った子供たちは、家族だけでなく社会を愛し、そして、地球を愛せる大人になれるはずです。