愛の第2段階「忠」

孝の次の愛の進化段階は、組織や団体への愛である「忠」です。

忠といえば、一般的には国家に対する愛を真っ先に思い浮かべます。しかし、忠は国に限らず、企業や団体、共同体など、個人が属している組織・集団を愛することを意味します。

「忠」という文字は、中央を意味する「中」という文字と、「心」という文字が合わさったものです。「心の中心」と解釈できます。それは政治的な概念ではなく、大義のために心の中から自然に湧き出る自発的かつ実践的な献身を意味します。

忠誠心と使命感が分かれば、その人の意識は進化したと見ることができます。社会において「忠」は、組織の中で信頼され、認められる基本的な基準です。

本当の忠は、組織が自分を優遇してくれるときにだけ忠誠を尽くすことではなく、どんな状況であっても最後まで忠誠心を貫くことだといえます。

組織や会社、国などに属する個々人が本来の目的や使命のために尽くすと、誰もが強くなり、恩恵を受けられます。しかし、エゴと利己主義に陥って求心力が失われると、その組織は弱くなり、滅びていきます。

進化した意識とエゴの違いは明確です。この2つは中心が異なります。エゴは自己中心的で、自分の肉体と心の妄想による利己的な欲求と執着に縛られています。一方、進化した意識は全体の一部としての大きな絵を中心に置きます。つまり、「全体中心的」です。

この世で最も大きな中心は何でしょうか? それは、全人類と生命体をすべてまとめられる中心、それは地球です。ひいては、地球が属する宇宙です。個人の意識が地球と宇宙を抱けるほどに拡張すると、「道」レベルの意識になります。

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