魂が成長するには、5つの徳が必要です。その5つとは「正直」「誠実」「責任感」「礼儀」「信義」です。これらの徳目を見事に体現した偉人が、私が尊敬してやまないアメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリンです。
ベンジャミン・フランクリンは小学校2年生までしか学校に通っていません。17人兄弟の15番目として生まれ、家が貧しかったので12歳の頃から兄が運営していた印刷所で働くようになりました。
2年ほどで印刷業務に慣れ、新たに学ぶことがなくなったため、自己啓発に没頭し、独学でフランス語、イタリア語、スペイン語、ラテン語を自由に使いこなせるようになりました。18歳の頃には新聞発行人になっています。
フランクリンは現状に安住せず、絶え間ない努力を続けます。科学者として放電の原理を発見し、避雷針やフランクリン暖炉を発明。政治家になってからは、アメリカ独立革命のリーダーとしてイギリスからの独立を実現させました。
人生には富や名誉、権力よりも大事なものがあると気づき、20代で「人格完成」という人生の目標を立てています。多くの業績を残しても自惚れず、死の瞬間まで人生への誠実な態度と謙虚さを失いませんでした。自分の墓には簡単に「印刷工 ベンジャミン・フランクリン」とだけ刻ませるほど、最後まで虚栄心やうぬぼれを警戒しました。
私はベンジャミン・フランクリンの生き方と哲学に深い感銘を受け、日本や韓国、アメリカにベンジャミン人間性英才学校をつくりました。
「正直」「誠実」「責任感」「礼儀」「信義」といった徳は、金や権力で買えるものではありません。知識で作れるのでもありません。自分の内面に存在している価値を見出し、身体の利己的な欲求に勝ち、日々よい選択をし、よい習慣を作ることで身につけられるものだと思います。