悟りから生まれる「地球人」としての自覚

悟りとは何でしょうか?脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、悟りとは「私たちの中にもとより存在しているものを発見することだ」と言います。

私たちはみんな、氏名や職業、性別、国籍、民族など様々な属性を備えています。しかし、これらは、「体に覆いかぶさっている情報に過ぎない」(李承憲氏)のであり、「私」そのものではありません。私とは魂であり、その真の姿を自分だと認めることが、李承憲氏の言う「悟り」です。

李承憲氏によれば、体・名前・人格という情報が自分ではないと分かるようになると、もうそのような情報に支配されることはなくなります。自らが主体となって情報を選択し、責任を果たそうという意識が生まれます。「自分に選択権が与えられているという事実が分かるので、自分の人生、自分の属する社会、後に地球で暮らすことになる子孫に対してまでも責任を負おうとする心を持つようになる」(李承憲氏)のです。

悟りを得た人は、固定観念から解き放たれ、自由になった目で世界を眺め、「今の世に何が必要かを判断・選択し、その必要に応じて世のためになることをするようになる」といいます。李承憲氏はそのような人のことを「天地人」と呼びます。天地人とは、自分の中で律呂を回復し、天と地と人の調和を回復した人であり、同時に「地球人」でもあります。

全人類が地球人としてのアイデンティティを持つようになれば、理念の違いは思考の多様性として受け入れることができ、宗教の違いは個人的な志向の違いに過ぎなくなります。また、民族間の文化の違いは葛藤の要因ではなく、むしろ文化的な多様さと豊かさ、包容力の源となるのです。