脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、私たちの脳は集中することでパワーアップし、脳全体の統合がもたらされます。
最近、注意力や集中力がない子供たちが増え、ADHD(注意欠如・多動性障害)という障害に診断される子も多いです。乳児期からテレビやビデオのようなメディアに無防備に長時間露出していることなどが原因だと指摘されています。
李承憲氏は、「集中」は脳の活動の中で最も重要な基盤だと言います。集中によって脳機能が発達し、集中するほどに脳機能は強化されます。運動することで体に筋肉ができるように、集中によって脳に回路が形成されるのです。
集中とは、脳全体の機能が一つの情報処理に集約された状態です。集中というと、身じろぎもせず机に向かっていることだと考えますが、このような狭い視野の集中は、小さな集中です。このような「緊張した集中」は長く続きません。
李承憲氏によると、ほんとうの集中とは、テーマのある集中です。一つのテーマをめぐって脳全体が目覚め、視野が広く開けた「リラックスした集中」こそが、理想的だといいます。
といっても、テーマは何でもいいわけではありません。たとえば、ギャンブルに過度に集中すると、財産を失い、家庭崩壊へとつながります。アルコールや薬物への執着も同様です。これらは集中ではなく、対象の奴隷になっている状態です。
集中の対象として有益なのは、人生の目標です。人生の目標に集中したとき、脳は最も活発に働きます。自分の意志の力を最も強く、最も持続的に引き出すものが、人生の目標だからです。