李承憲氏は、小さいころから人生に対する疑問を多く抱いていたといいます。言葉を話せるようになるやいなや、「ぼくは、なぜここにいるの?」「ここで何をしているの?」といった根本的な疑問を両親にぶつけていたといいます。
たいていの子供は、こうした哲学的な疑問が浮かんでもそれをいつの間にか封印し、同じ年頃の子供たちと遊ぶことに熱中するようになるものです。しかし、李承憲氏は「自分とは何か」という疑問にこだわり続け、幼少期を通じて自問自答を繰り返しました。
後に李承憲氏が脳教育プログラムを生み出すにあたって、子供のころの自問自答が大きな土台になったようです。李承憲氏によれば、脳教育とは「自分の中で、自分だけの答えを見つける」ことであり、脳と絶え間なく対話することで人間性を高めていくことができます。
思想家ソクラテスは、「己を知れ」という名言を残しましたが、それは李承憲氏の脳教育にも相通じる言葉です。李承憲氏によると、「己を知れ」とは、いわば「自分の脳を知れ」ということ。何かに迷ったときも、自分の脳に聞くことで、答えが導きだされます。その答えは外部から聞こえるのではなく、自分の内面から湧き上がってくるのです。
自分の願いをかなえたいときも同様です。「純粋な心で願うと、そのエネルギーの波動が脳に伝わり、脳はあなたの願望を理解するようになります」(李承憲氏著『脳波振動』)。そして、脳はその望みを実現するため、懸命に働いてくれるのです。