ビジョンが“弘益”に向かうとき~李承憲氏

「自分とは何か」という疑問は、多くの人が一度は抱えたことがあるでしょう。一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、人は自分のことを「体とその上に覆い被された情報」だと思いがちです。しかし、情報はあくまで情報にしかすぎません。自分とは「自分の魂であり、終わりも始まりもない、永遠の生命である」と李承憲氏は言います。その自覚ができたとき、私たちの意識レベルは飛躍的に高くなり、真の幸せを手に入れることができます。

李承憲氏は、私たちには「弘益」(ホンイク)の本能があるといいます。弘益とは、世の中を良くしようとする意識です。弘益人間として世の中に尽くすことが、「意識レベル」が高くなっている状態といえます。とはいえ、同じ人でも意識レベルは一定ではありません。一日のうちで何回も意識レベルは変わります。「すべての人の内面にはイエスや釈迦のような境地の可能性と、人からそっぽを向かれる利己主義者や、それより暗い意識状態の可能性が同時に存在する」(李承憲氏)のです。

意識レベルを安定的に高くするためには、何のために生きるのかというビジョンを持つ必要があります。ビジョンとは「私たちが発揮できる最大のエネルギーと、最高の努力と、最善の知恵を絞り出さなければ達成できず、自分の思う限界を超えたところにあるもの」(李承憲氏)です。そのビジョンが利己的なものでなく、地球的で「弘益」なものに向かうとき、私たちの意識のレベルは最高潮に達するのです。

一指 李承憲著『脳呼吸』より