世界的な脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、人間には本来、感情をコントロールする優れた力が備わっています。その力をうまく利用すれば、自らの感情を自在に「創造」することができます。
脳のなかで、感情を感じるところを「大脳辺縁系」といいます。ヘビやカメなどの爬虫類(はちゅうるい)は、この大脳辺縁系が発達していないため、感情を抱くことがないとされます。カメを飼育していても人間にあまりなついてくれないのは、大脳辺縁系が未発達だからです。
これに対して、人間や猿、犬などの哺乳類は大脳辺縁系がたいへん発達しており、感情が豊かです。とくに人間は大脳辺縁系の機能が優れており、感情をコントロールする能力も発達しています。
ところが現代を生きる私たちは、いつも否定的な感情に振り回されながら生きています。李承憲氏によると、感情の渦に巻き込まれてしまう理由は、利己心や生存本能に身を任せているためです。
利己的な意識から抜け出すには、まず「利己心は錯覚から生じる」(李承憲氏)という事実を認識する必要があります。宇宙のエネルギーは無限です。だから、幸福はいくらでもシェアしあえるのであり、利己的である必要は全くないのです。
他人の幸せが、自分に幸せにもつながるという原理が分かったとき、感情や欲望の呪縛から逃れることができます。そのような状態を李承憲氏は、「超意識」と呼びます。超意識を得ることで、感情は自分の思うままとなり、脳の力をすべて創造的なことに振り向けることができるのです。