脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏によると、脳が物事をいかに解釈するかによって、私たちの幸福感も心身の健康も、大きく変わり得ます。
米国の名門ハーバード大の学術実験では、頭痛に効果がないはずの薬でも「効く」と信じて服用すると、頭痛の症状が軽くなるという結果が出ました。実験では、本物の頭痛薬と、偽物の頭痛薬を飲んでもらい、その結果を比較。すると、本物の薬を飲んだときだけでなく、偽物の薬を本物だと思い込んで飲んだときでも頭痛が軽減しました。逆に、本物の薬なのに「偽物」だと思って飲んだときは、頭痛改善の効果が少なくなりました。
こうした現象は、「プラシーボ効果」と呼ばれます。プラシーボ効果は、脳がどのような情報を信じているかによって、結果に大きな違いが出ることを示しています。
逆に、脳が悪いことを信じると、悪い影響が出ることがあります。これを「ノーシーボ効果」と呼ばれます。例えば、数人が食事を共にした後で、そのうちの一人が「食べ物が腐っていた」と言ってトイレに駆け込めば、他の人も吐き気をもよおしたり、お腹が痛くなったりすることがあります。
脳教育では、このような脳の特性を利用し、健康や幸福度をアップさせることを目指します。脳に与える情報を変え、さらに、脳の受け止め方を変えることで、私たちの生活はずっと豊かになります。