脳教育はなぜ「体」を重視するのか?~李承憲氏の健康論

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏の脳教育では、体に働きかけて脳を活性化させ、健康や幸福を実現するというプロセスを重視しています。

私たち人間は、大きく分けて「体」と「脳」を持っています。このうち、歴史上、先にできたのは、体です。単細胞が多細胞を作り、多細胞の集団がだんだん複雑になって出来あがったのが脳です。つまり、体が先にあって、体の必要に応じて脳が後から作られたのです。

人間の脳が今のように発達するまでには、とても長い時間がかかりました。脳は私たちの体をコントロールする司令塔ですが、今でも、脳がすべてを行っているわけではありません。体は脳と緊密に協力しますが、自ら判断して調節する独自の機能もあわせもっています。

こうしたことをふまえ、李承憲氏の脳教育では「脳の発達は全面的に体を通じてのみ達成する」と考えています。五感の刺激が体を通じて脳に伝達されてこそ、その刺激に対して脳で反応する体系が作られて強化される。だから、体を通さずには脳を開発できない—-という考え方です。

李承憲氏の脳教育プログラムでは、感覚体験を通じて「体」に働きかけ、それによって脳機能を活性化させていきます。体と脳には絶えず刺激と反応のやりとりがなされ、互いに直接的な影響を与えます。だから、体を鍛えるのは、脳機能を活性化することであり、体の管理法はそのまま脳の管理法にもなるのです。

李承憲氏は「体を使う原理を知り、それにしたがって体を使えば、体の機能効率が良くなり、脳機能も向上する」と言います。体あってこその脳であり、体と脳が一体となってこそ、真の健康を手に入れることができるのです。

一指 李承憲著『脳教育原論』より